自宅のPCの状況がさらに悪化したため(前回「マイクロソフトWebサイトの検索性と整合性」参照),とうとうPCを買い換えた。新しいPCの主な仕様は以下の通りである。

機種: DELL Precision 390
CPU: Core 2 Quad(4コア) 2.4GHz
主記憶: 4GB
ビデオ: NVIDIA Quadro FX 3500 (256MBビデオメモリ)
ディスク: 250GB
OS: Windows Vista Ultimate (x86)

 ドライバの問題から,予定通り32ビット版にした。したがって物理メモリはこれ以上追加できない。利用可能な最大物理メモリを装備したPCを使うのは,25年前に買ったFM-8 (富士通Micro 8)以来である。

 コニカミノルタのフィルム・スキャナはまだ十分にテストしていない。スキャナ付属のアプリケーションは一応動作しているようだ。とりあえず通常のスキャンはできた。一安心である。

 ディスクはもう少し張り込んでも良かったと後悔している。デジタル・カメラの画像がどんどんたまるからだ。DVD-Rなどにバックアップしてもよいのだが,古い写真を眺めるにはハードディスクに全部まとまっていた方が便利だ。私は趣味でネコの写真教室に通っていて,半年に1回発表会がある。半年分の写真からベストショットを選ぶには,写真管理ツールで一度に表示させるのが便利である。インデックス・プリントやアルバムに保存したサービス版の写真を眺めていた頃に比べると,効率は劇的に向上した。

 使ってみて驚いたのは,実に静かなことだ。ワークステーション・モデルでこの動作音なら,家庭向けモデルはもっと静かなのだろう。もちろん速度も満足している。ベンチマーク・テストでは,コア数よりもクロック速度の方が性能に影響するようだが,Virtual PCなどの仮想マシンを多用する場合はコア数の多い方が有利になるのではないかと予想している。

 ところで,古いPCから新しいPCへ環境を移行するのは実に面倒である。Windows Vistaには,PCの設定を転送するツールが付属しており,ファイルも設定も簡単に移行できる。ほとんどの人にとってはこれで十分だろう。しかし,部分的な移行をするのは案外手間がかかる。移行できる内容はグループ化されていて,グループ単位でしか指定できないものもあるからだ。サードパーティ製のソフトウエアもあるようだが,1回限りの移行に投資するのは無駄に思えるし,そのソフトウエアに望む機能が全て入っているとも限らない。
 私の場合,新しいOSの機能をなるべく使ってみたいので,OSを変えたときには環境は移行しないようにしている。ただし,ドキュメントは移行したいし,メールアイテムも移行したい。そこで,ファイルを手動でコピーし,Outlook Expressのメール・ファイルをインポートした。会社のメールはサーバーにあるので,Outlookを構成したら自動的にダウンロードできた。その他,LHA32.EXEを使うためにDLLファイルをコピーし,lessコマンドの環境を設定した。また,サードパーティ製のソフトウエアをいくつかインストールした。ライセンスの移行が必要なものはまだ手続きをしていない。

 個々の手順は簡単だが,全部やるのはかなり面倒である。いっそ,日常作業を行う環境は仮想PCにしてしまおうかとも思うのだが,ハードウェアサポートの問題もあって,そうもいかない。そもそもそんなことをしたら,当初の目的である「新しいOSの機能をなるべく使う」ことができない。

 昔に比べれば設定転送ツールは,ずいぶんと良くなった。完全に設定を移行するのであれば,付属のツールで十分だろう。しかし,部分的な移行についてはまだまだ改善の余地がある。次に移行作業をするのは何年後になるか分からないが,その頃にはもっと気の利いたツールになることを願っている。