米Hewlett-Packard(HP)は米国時間9月28日に,法務顧問のAnn Baskins氏が辞任したと発表した。同社は,情報漏えいの調査で違法な手段を使用したとされる問題で,会長のPatricia Dunn氏が22日に引責辞任したばかりだった(関連記事)。

 HPは,情報漏えいの調査において「社外の調査員が実行した」(HP)として,身元を偽って不正に通話記録などを入手する「プリテキスティング」の使用を認めている。この問題については当局も調査に乗り出し,米下院エネルギ商業委員会の監視および調査小委員会は同日公聴会を開いた。

 公聴会で同委員会委員長のJoe Barton議員は,「HPはプリテキスティングを用いて,1年以上にわたり個人の通話記録を入手していた。当委員会に提出された資料によると,通話記録はHP社内の調査チームによって引き出され,Dunn氏とBaskins氏ともにこれを承認および認識していたようだ」と述べた。

 公聴会では,Dunn氏と,会長職を引き継いだCEO兼社長のMark Hurd氏が証言に立った。米メディアの報道(InfoWorld)によると,Dunn氏はHurd氏がこの調査の方法について認識していたはずだと述べ,Hurd氏はこれを否定している。またDunn氏は自身が「認識はしていたものの,監督する立場ではなかった」と弁明した。

 なお公聴会には,Baskins氏や,グローバル・セキュリティ担当マネージャのAnthony Gentilucci氏,上級顧問のKevin Hunsaker氏,コンピュータ・セキュリティ調査担当Fred Adler氏などが証言を求められているが,今回辞任したBaskins氏は証言を拒否している(米internetnews.com)。

[発表資料(HPのプレス・リリース)]
[発表資料(下院エネルギ商業委員会のプレス・リリース)]