米上院は,欧州評議会の「Convention on Cybercrime」(サイバー犯罪条約)を批准した。上院外交関係委員会議長のDick Lugar氏が,米国時間8月4日に発表したもの。これにより「米国は他国と協力し,サイバー犯罪に対する国際的な撲滅活動への取り組みを強化する」(同氏)。

 サイバー犯罪条約は2001年に米国や欧州諸国43ヵ国が署名して成立したもので,米国は16番目の批准国となる(InfoWorld)。コンピュータへの不正侵入のほか,詐欺,児童ポルノといったコンピュータ関連の犯罪の捜査への国際的な協力,国内の法規における対応などを定めており,電子的証拠の収集に関する内容も含まれている。

 Lugar氏は,「米国は軍事,公益事業,交通や通信など重要なインフラの多くをコンピュータに依存している。サイバー犯罪対策での他国政府との協力は,テロ阻止やテロリスト摘発の中核となる」と説明する。

 コンピュータ・セキュリティ関連の業界団体Cyber Security Industry Alliance(CSIA)やソフトウエア権利保護団体のBusiness Software Alliance(BSA)は,今回の上院の裁可に賞賛を送っている。CSIAは2004年9月より,同条約の批准を求める活動を展開していた(関連記事)。

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