オーストラリアのSharman Networksは現地時間7月27日に,同社のピア・ツー・ピア(PtoP)型ファイル共有ソフト「Kazaa」に対して起こされていた訴訟が和解に至ったと発表した。

 音楽業界団体とのすべての係争を終結することにより,Kazaaは合法的配信モデルへの道を進む。「PtoP技術とコンテンツ業界が協力する新しい時代の夜明けだ。一般ユーザーに,とりわけKazaaユーザーに,将来の魅力的なオンライン配信を約束する」(Sharman NetworksのCEO,Nikki Hemming氏)

 Hemming氏は,PtoP技術を使って著作権のあるコンテンツをやりとりする合法的オンライン配信市場の成長のために大きな役割を果たすことが,Kazaaの長いあいだの目標だったと説明。消費者,企業,アーティストが恩恵を享受できるようコンテンツ・プロバイダと協力していくと述べた。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,Sharman Networksは大手レコード会社4社(Universal Music Group,Sony BMG Music Entertainment,EMI Group,Warner Music Group,)に1億ドル以上を支払う。また金額は明らかにしていないが,複数の映画会社にも和解金を支払う。さらに,著作権付きコンテンツの違法交換を防止するフィルタリング技術をKazaaに導入することでも合意した。

 ファイル共有ソフトを巡る訴訟については,米最高裁判所が2005年6月に,「PtoPソフトウエアを提供する米Groksterおよび米StreamCast Networksに著作権侵害の責任を課すことが可能」とする判断を示している(関連記事)。

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