米Microsoftは,正規版Windows XPかどうかを調べるプログラム「Windows Genuine Advantage(WGA)」は,「スパイウエア的な動きはしていない」(同社)と米国時間6月8日に発表した。

 WGAは,偽造ソフトウエア(海賊版,違法コピー)撲滅に向けたMicrosoftの取り組みGenuine Software Initiative(GSI)の一環。同社が配布しているツールをインストールすると,不正なWindows XPを使用した場合,パソコンにインストールされているソフトウエアが正規版ではないことをユーザーに伝える。パソコンにインストールされているWindows XPが正規版かどうかを調べる「WGA Validation」と,正規版でない場合にその旨を通知する「WGA Notifications」で構成する。

 WGA Notificationsは,ユーザーがWindowsにログオンする都度,新たな設定ファイルの有無をインターネット経由で確認し,必要に応じてダウンロードする。Microsoftはこの設定ファイルを使い,正規版でないことをユーザーに伝える頻度を変えたり,WGA Notificationsの動作を止めたりできる。

 Microsoftによると,「WGA Notificationsのこうした動作をスパイウエア的とみる意見がある」という。これに対し同社は,「この機能を利用することで,ユーザーからのフィードバックに迅速に対応し,操作性を改善できる」としている。「システム情報を当社に送信する認証処理と違い,WGA Notificationsの動作は,新しい設定ファイルがダウンロード可能かどうか調べるだけの確認作業である。ほかの情報は何も送信していない」(Microsoft)。

 またパフォーマンス低下を懸念する声があることから,WGAの次版から確認頻度を延長し,14日ごとにする。さらに,全世界でWGA Notificationsを利用可能となる2006年終わりごろには,この自動確認機能を無効化する予定である。

 米メディア(CNET News.com)によると,WGA Notificationsの次版は6月中に利用可能になるという。

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