米AOLが米国時間の5月18日,ビデオ映像に広告を挿入する技術などを持つ米Lightningcastを買収したと発表した。買収金額などの詳細な条件は明らかにしていないが,取引は17日に完了しているという。

 米メディアの報道(internetnews.com)によると,今回の買収は,2004年6月に4億3500万ドルで米Advertising.comを買収して以来,最大規模のものになるという。

 Lightningcast社は,1999年設立で,従業員は34人。今回の買収でAOL社傘下Advertising.com社の完全子会社となったが,CEOのTom MacIsaac氏のもとで従来通り業務を継続する。映像/音声コンテンツの広告挿入およびキャンペーン管理を手がけており,ブロードバンド向けのオンデマンド/ライブ/ダウンロード映像コンテンツで広告を配信する技術を開発している。

 AOL社は2002年より,同社の音声/映像ストリーミング広告にLightningcast社のプラットフォームを採用してきた。最近では,AOL社と米Warner Bros.が共同で立ち上げたテレビ番組ストリーミングサービス「In2TV」にも同社の技術を採用している。

 AOL社は,Advertising.com社が新設した映像広告ネットワークとLightningcast社の映像広告ネットワーク「InStream」を統合し,InStreamの名称で運営していく。AOL社によると,統合後のネットワークは,300ほどのWebサイトで月間1億7500万本の動画ストリームを扱うことになるという。

 AOL社広告販売部門プレジデントのMike Kelly氏は,声明で次のように述べた。「ストリーミング映像が急激な勢いで伸びている今,Lightningcast社買収は,人材,技術,ならびに広告掲載サイトとの関係といった点で,Advertising.com社にきわめて大きな利点をもたらすものになる」

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