技術関連の公共政策推進を目的とする非営利団体Information Technology and Innovation Foundation(ITIF)は米国時間4月13日,米国ブロードバンドの普及に関する展望を発表した。それによると,米国ブロードバンド普及促進では,税金の免除がカギになるという。ITIFには米国のIT関連企業が参加している。

 ITIFは,少なくとも5年間は,ブロードバンド・サービスに対する地方税,州税,連邦税を免除するべきだと指摘する。

 経済開発協力機構(OECD)の調査によると,2005年12月時点の世界ブロードバンド普及率は13.6%にのぼった。首位はアイスランド(普及率は26.7%)で,2位は韓国(同25.4%)。以下,オランダ(同25.3%),デンマーク(同25.0%),スイス(同23.1%),フィンランド(同22.5%),ノルウェー(同21.9%),カナダ(同21.9%),スウェーデン(同20.3%),ベルギー(同18.3%)と続き,トップ10のほとんどを欧州諸国が占めた。日本は11位(17.6%),米国は12位(16.8%)だった。

 米国の普及率は昨年と比べ3.9ポイント拡大し,韓国(0.6ポイント)や日本(2.6ポイント)を上回るものの,米国より下位にある英国(5.4ポイント)やフランス(4.7ポイント)の方が急速に需要を伸ばしている。

 ITIFは,「市場の努力だけでは,多くの国々に後れをとってしまう」と警告する。「今後2年でOECDランキングの上位5カ国に入るためには,慎重な規制緩和が重要だ」とした上で,税金や通信会社に義務付けられているUniversal Service Fund(都市部以外の電話サービス整備のための連邦政府助成金)への支払い義務の免除,ネットワーク新設に必要なフランチャイズ数の低減,新たなネットワーク投資の初年度における税金控除などを提案している。

[発表資料へ]