経済開発協力機構(OECD)はフランスで現地時間4月11日,2005年における世界の広帯域ユーザーについて調査した結果を発表した。それによると,広帯域ユーザーの数は2005年6月の1億3600万人から12月の1億5800万人へと着実に増加した。またOECD諸国で広帯域ユーザーが占める割合は,2005年12月時点で13.6%だった。調査はOECD諸国30カ国を対象に実施したもの。

 広帯域ユーザーの割合は,アイスランドが最多で26.7%,韓国が25.4%で2位に転落した。以下,オランダ(25.3%),デンマーク(25.0%),スイス(23.1%)と続く。

 また,フィンランド(22.5%),ノルウェー(21.9%),スウェーデン(20.3%),ベルギー(18.3%)が上位10カ国に名を連ねるなど,欧州諸国で広帯域の需要が伸びていることがわかった。

 国別にみると,韓国では,より速い接続速度を求めてプラットフォームを乗り換えるユーザーが増えている。2005年は,DSL(3.3%減)とケーブル・モデム(1.7%減)が縮小する一方で,光ファイバが52.4%成長した。

 日本は,広帯域ユーザーの割合が17.6%で11位だった。しかし,2005年末時点のFTTP(fibre-to-the-premises)接続のユーザー数は460万人に達し,OECD諸国21カ国における広帯域ユーザー数の合計を上回った。

 米国における広帯域ユーザーの割合は16.8%。広帯域ユーザー数は約4900万人で,OECD諸国で最も多い。また,OECD諸国の広帯域ユーザーの31%を占める。

 接続方法をみると,DSLが最も多く62%。ケーブル・モデムは31%,その他の接続方法(衛星,光ファイバ,固定無線など)が7%を占めた。30カ国中,28カ国ではDSLが主要な接続方法である。しかし米国では,ケーブル・モデムがDSLの利用者数を上回った。

■広帯域ユーザーの割合と接続方法(2005年12月)
                  DSL  ケーブル その他   合計 順位    広帯域
                        モデム                      ユーザー数合計
                (%)  (%)  (%)  (%)
アイスランド     25.9     0.1     0.6    26.7    1       78,017
韓国             13.6     8.3     3.4    25.4    2   12,190,711
オランダ         15.7     9.6     0.0    25.3    3    4,113,573
デンマーク       15.3     7.2     2.5    25.0    4    1,350,415
スイス           14.7     8.0     0.4    23.1    5    1,725,446
フィンランド     19.5     2.8     0.1    22.5    6    1,174,200
ノルウェー*      17.8     2.9     1.2    21.9    7    1,006,766
カナダ           10.1    10.8     0.1    21.9    8    6,706,699
スウェーデン*    13.3     3.4     3.6    20.3    9    1,830,000
ベルギー         11.3     7.0     0.0    18.3   10    1,902,739
日本             11.3     2.5     3.8    17.6   11   22,515,091
米国              6.5     9.0     1.3    16.8   12   49,391,060
英国             11.5     4.4     0.0    15.9   13    9,539,900
フランス         14.3     0.9     0.0    15.2   14    9,465,600
ルクセンブルグ   13.3     1.6     0.0    14.9   15       67,357
オーストリア*     8.1     5.8     0.2    14.1   16    1,155,000
                 (注記:*の国に関しては推定値)
出典:OECD

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