世界経済に関する非営利団体の世界経済フォーラム(WEF:World Economic Forum)はスイスで現地時間3月28日に,世界の情報通信技術(ICT)の活用状況について調査した結果を発表した。それによると,2005~2006年におけるICT整備に優れた国(および地域)のランキング首位には,米国が昨年の5位から返り咲いた。昨年米国から首位の座を奪ったシンガポールは今回2位となった。

 調査は,115カ国を対象にWEFが欧州のINSEADと共同で実施したもの。情報通信技術関連のマクロ経済/規制/インフラ環境,個人/企業/政府における情報通信技術利用,最新の情報通信技術の使用状況について評価し,Networked Readiness Index(NRI)指標を算出した。

 米国は,ICTインフラ,市場の受け入れ状況,企業と政府による最新技術の使用などで高い評価を受けた。「新興企業支援のベンチャ・キャピタルや民間企業の研究開発といった点でも,他国より優れている」(WEF)。

 シンガポールは4年連続でトップ3に名を連ねている。規制環境が整っており,教育およびトレーニングの水準,政府によるICTの調達と優先度などで評価が高い。

 一方,日本は昨年の8位から大きく順位を下げ,今年は16位となった。このほかのアジア太平洋地域では,台湾が7位,香港が11位,韓国が14位,オーストラリアが15位。

 2005~2006年のNRIランキング上位10カ国は以下の通り。

国・地域        2005~2006年調査      前回
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米国                  1位             5位
シンガポール          2位             1位
デンマーク            3位             4位
アイスランド          4位             2位
フィンランド          5位             3位
カナダ                6位            10位
台湾                  7位            15位
スウェーデン          8位             6位
スイス                9位             9位
英国                 10位            12位
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出典:WEF

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