米Microsoftは,同社のフィッシング対策の世界的な取り組み「Global Phishing Enforcement Initiative(GPEI)」の一環として,フィッシングに対する法的措置を世界規模に拡大する。欧州のISP団体European Internet Services Providers Association(EuroISPA)が開催したブリュッセルでの会議で,同社が現地時間3月20日に明らかにしたもの。

 同社は昨年3月,米国でフィッシング・サイト運営者117人を提訴するなど,国内のフィッシング対策に注力してきた。今回同社は,欧州,中東,アフリカにおいて,3月末までに53件の訴訟を申し立てる予定。6月末までに合計100件以上の法的措置に踏み切る。

 53件の提訴で対象となるのは,トルコ,フランス,スペイン,モロッコ,英国,ドイツ,オーストリア,エジプト,スウェーデンのフィッシング・サイト運営者。これらは偽のWebサイトを通じて,電子メール,パスワード,クレジット・カード番号,口座番号などの個人情報をだまし取っていたという。

 同社Europe,Middle East and Africa(EMEA)担当社長のNeil Holloway氏は「フィッシングは犯罪だ。インターネットに対する消費者の信頼を損ねると同時に,欧州の政策立案者や業界が取り組んでいる,革新的かつ高付加価値なインターネット・サービスの普及に水を差すことになる」と述べている。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,Microsoft社がこれまでに捜査に協力して閉鎖に追い込んだフィッシング・サイトは全世界で4744にのぼる。

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