約4000万人分のクレジット・カード情報流出を引き起こした米CardSystems Solutionsと同社事業を引き継いだSolidus Networksは,米連邦取引委員会(FTC)との和解に応じる。FTCが米国時間2月23日に明らかにしたもの。FTCは,CardSystemsが不公正な慣行を取り締まる法規に違反し,適切なセキュリティ対策を怠ったとして提訴していた。

 CardSystemsとSolidus NetworksはFTCの和解要件に従い,包括的な情報セキュリティ・プログラムを導入し,今後20年にわたり,隔年で,両社と無関係のセキュリティ専門家による監査を受ける。

 CardSystemsは,金融機関などからカード決済事業を請け負っていたが,2005年5月22日に,データが不正アクセスを受けた可能性を認識。5月23日に米邦捜査局 (FBI) へ報告し,次いで,顧客である米VISAと米MasterCard Internationalなどにも伝えた。MasterCardがこれを6月17日に公表し,警告を発したことで,事件が明るみに出た。なお,流出した情報は,本来CardSystemsが保管してはならない個人情報だった。

 FTCによると,CardSystemsが昨年,11万9000店以上の中小販売店に対して処理したカード支払い件数は約2億1000万件で,総額150億ドル以上に上る。CardSystemsはカード決済手続きで読み取られるクレジット・カード番号や有効期限などのデータを収集し,同社コンピュータに保存していた。

 「CardSystemsは保持する理由のない情報を保存し,顧客の金融情報を危険にさらすやり方で格納した」(FTC委員長のDeborah Platt Majoras氏)。

 2005年12月にSolidus NetworksがCardSystemsの資産を買収し,「Pay By Touch」の名称で事業を継承している。

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