スタンフォード大学のキャリア開発センターでシステムへの不正アクセスが発生し,米連邦調査局(FBI)が捜査を行っている。同大学が米国時間5月25日に明らかにした。この不正アクセスにより,同センターに登録した求職者約9600人と,リクルータ約300人の個人情報が漏えいした可能性があるという。

 同大学法務顧問のDebra Zumwalt氏によると,システムが不正アクセスを受けたのは5月11日。同システムには,1996年から現在までの登録者の氏名,履歴書,推薦状,社会保障番号などの情報が保存されている。「大半はクレジット・カードや運転免許証などの機密情報を記録していない」(同大学)が,リクルータの情報の一部にはクレジット・カード番号が含まれる。

 同大学は,不正アクセス時に特定の情報が実際に盗み出された形跡はないとしながらも,求職者には5月23日に書状で通知を送っている。リクルータには今週中に詳細を知らせる予定。同センターのシステムは現在,稼働を停止している。

 「スタンフォード大学では,機密情報の保護は優先度の高い課題だ。今回の事件以降は,被害内容の調査と,再発防止に全力を尽くしている」(同氏)

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