DNS管理サービスを提供する米UltraDNSは,DNSのセキュリティを向上させる「DNS Shield」を導入したことを米国時間10月18日に発表した。同社は,米Time Warner傘下のAmerica Online(AOL),米Yahoo!,NTTコミュニケーションズ子会社のVerio,米Earthlinkといったインターネット・サービスとネットワーク・プロバイダと提携し,同社が管理するDNSサービス・インフラのセキュリティとサービスの可用性の向上を図っている。

 DNS Shieldを導入することにより,ISPパートナの中心となるDNSインフラが直接UltraDNSネットワークに接続される。認証されたユーザーのクエリーだけに対応する信頼できる環境が実現されるため,DDoS(分散型サービス妨害)やフィッシング攻撃対して有効な防御手段になるという。UltraDNS社では,2005年末までに米国において1億人を超えるインターネット・ユーザーがDNS Shieldの恩恵を受けることになると推測している。

 また,同社によれば,パートナのネットワーク内に配備されているUltraDNS社が権限を持つサーバーは,現在同社が4カ国で展開しているパブリック・ネットワークと同一の機能を提供する。DNS Shieldパートナのすべての顧客によるDNSクエリーは,ISP内のインフラで応答できるため,ISPの外側で大規模なネットワーク障害が発生した場合にも,DNS Shieldを利用している顧客はその影響を受けないで済むという。

 同社は,UltraDNSネットワークを世界的に拡張しており,DNS Shieldの実装はその中核的な要素になると説明している。

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