英Symbianは現地時間10月11日,米Intelとモバイル・デバイスOS「Symbian OS」を搭載する第3世代携帯電話の参照設計を英ロンドンで開催中の「Symbian Smartphone Show」において披露した。

 同参照設計は,初めてSymbian OSのバージョン9とIntel社のXscale技術を搭載したものとなる。マルチメディア機能を内蔵し,携帯電話メーカーがさまざまな分野向け携帯電話を投入できるように主なソフトウエアとハードウエア・コンポーネントを備える。

 同日,Symbian社は,ソフトウエア開発ツール関連の業界団体Eclipse Foundationにアドイン・プロバイダとして参加することを発表した。Symbian OS向けのオープンソース開発ツールのサポートを行なう。Symbian社のエンジニアは,開発ツール「C/C++ Development Tools(CDT)」プロジェクトに参加しており,Smartphone ShowではSymbian OS向けEclipseツールのデモも行なわれる。

 同社は,携帯電話の構築と開発コストを削減することにより,Symbian OSをベースとした低価格なミッドティアの携帯電話を大量に生産するための技術「Symbian OS Real Time Compatibility Layer(RTCL)」に関しても明らかにした。Symbian OS RTCLは,Symbian OS上に独自のシグナリング・スタックの実装を可能にするもの。

 スマートフォンは,通常2つのプロセサを搭載し,1つはGSM/EDGE/UMTS,もう1つはSymbian OSに当てている。Symbian OS RTCLでシグナリング・スタックをホストすることにより,携帯電話機メーカーは,2プロセサから1プロセサのアーキテクチャにシームレスに移行できるようになるため,コストを抑えることができるようになるという。また,Symbian OS RTCLは,APIレベルで主要リアルタイムOS(RTOS)との相互運用性を提供するため,コードが容易に移植できるという。

 同社によれば,Symbian OSを搭載する携帯電話機はほぼ4000万台に達しており,2005年前半だけでも1400万台が出荷されている。

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