米国政府向けの技術支援や研究開発を行う非営利組織MITREが,ウイルスやワームなどのマルウエアに通し番号(ID)を割り振る活動「Common Malware Enumeration(CME)」を,米国時間10月5日に発表した(関連記事)。業界で通用する共通のIDを各マルウエアに付けることで,情報の共有や提供時に起きる混乱を防ぐという。CMEのWebサイトも開設した。

 活動は,米国土安全保障省のコンピュータ緊急対応チーム(US-CERT)を中心に進める。アンチウイルス・ベンダーなども協力する。CMEの目的としてMITREは,1)マルウエア発生時の混乱抑制,2)アンチウイルス・ベンダー間のコミュニケーション促進,3)アンチウイルス・ベンダーとその他セキュリティ・コミュニティとのコミュニケーション促進を挙げる。

 マルウエアが発生すると,マルウエアのサンプルや補足情報にもとづく自動的なプロセスで「CME-N」(Nは1~999までの数値)というIDを決める。このIDを,アンチウイルス・ベンダーなどに使用してもらう。

 CMEの役員メンバーとして参加した企業は以下の通り。米McAfee,米Symantec,トレンドマイクロ,米Microsoft,英Sophos,米TruSecureのICSA Labs,Norman社,英Kaspersky Lab,英MessageLabs,フィンランドF-Secure,米Computer Associates International(CA)。

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