米Microsoftが,企業向けマルウエア対策ソフトウエア「Microsoft Client Protection」を米国時間10月6日に発表した。企業で使用するサーバーやパソコンを,ウイルスやワーム,スパイウエアから保護する。Microsoft社は,「Exchange Server」用のウイルス/スパイウエア対策ソフトウエア「Microsoft Antigen」の提供計画についても明らかにした(関連記事その1その2)。

 Microsoft Client Protectionは,ウイルス/ワームやスパイウエアのほか,ルートキットにも対抗できる。ファイル共有用などのサーバーだけでなく,デスクトップに設置するパソコンも保護対象とする。Active Directoryに対応しており,アップデート機能「Windows Server Updates Services」を介してクライアントの設定やシグネチャ・ファイルの更新が行える。

 現在開発を進めており,2005年末までに早期ベータ版を一部ユーザーに提供する予定。価格やライセンス体系などは後日発表する。

 Microsoft Antigenは,同社が買収した米Sybari Softwareの技術をベースとするセキュリティ・ソフトウエア。Sybari社のウイルス検索エンジンに加え,Microsoft社の開発したエンジンも導入可能。「Microsoft Sybari」製品系列のユーザーは,無償でMicrosoft社製エンジンを追加できるようにする予定。

 2006年前半にベータ版を利用可能とする。

 またMicrosoft社は同日,同社製プラットフォームへのセキュリティ機能組み込みを支援する取り組み「SecureIT Alliance」も発表した。セキュリティ製品ベンダーだけでなく,政府関係機関や警察などの公的組織,Virus Information Alliance(VIA)やGlobal Infrastructure Alliance for Internet Safety(GIAIS)といった団体とも協調して活動を進める。

 SecureIT Allianceは2005年中に開設するコミュニティ・サイトで,Microsoft社製品のベータ版やソフトウエア開発キット(SDK)を提供し,早期導入プログラムなどを運営する。

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[発表資料(概要)]
[発表資料(Microsoft Client Protectionに関するQ&A)]
[発表資料(SecureIT Alliance)]