米Cisco Systemsは,Cisco IOS Firewallで明らかになったぜい弱性を米国時間9月7日に公表した。ネットワーク機器に搭載するOS「IOS(Internetwork Operating System)」の特定のバージョンを稼動している場合,IOS Firewall Authentication Proxy for FTP/Telnet Sessions機能を設定するとバッファ・オーバフローが生じるぜい弱性があるという。

 影響を受けるのは,IOS 12.2ZH/12.2ZL/12.3/12.3T/12.4/12.4Tリリーストレインを搭載する機器。12.2以前のバージョン(12.2ZH/12.2ZLを除く)または,新しいルーターOS「Cisco IOS XR」を稼動する製品は影響を受けない。

 IOSソフトウエアは,DoS攻撃に対するぜい弱性があり,Telnet/FTPセッションのユーザー認証情報が処理されているときに,任意のコマンドを実行されたり,DoS攻撃を仕掛けられる可能性がある。攻撃者は該当するソフトウエアを実行しているIOSデバイスにTCP接続して,このぜい弱性を悪用することができるという。

 該当するIOSを稼動していても,Firewall Authentication Proxy for FTP and/or Telnet Servicesをサポートしていない機器,または同機能を設定していない機器は影響を受けることは無い。また,該当するIOSを搭載していてもAuthentication Proxy for HTTP and/or HTTPSだけの設定した機器も影響を受けないという。

 同社は,このぜい弱性を修正するソフトウエアを同社Webサイトから無料で配布している。IOSのアップグレードまたは修正版をインストールできない場合には,ファイアウオールのTelnetとFTPセッションの認証機能を無効にしてHTTPとHTTPSセッションに設定することを勧めている。その他の回避方法もセキュリティ勧告で紹介されている。

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