調査会社の米ABI Researchが米国時間2010年2月3日に発表した市場予測によると、メディア視聴特化型のタブレット・コンピューティング・デバイスは、2010年に400万台が売れる。米Appleが1月27日に行った「iPad」の製品発表により、新たな市場セグメントの本格的な誕生が明確なものになったという(関連記事:Apple、タブレット型コンピュータ「iPad」発表、499ドルから)。新市場が形成されることにより、2015年には年間5700万台が出荷されるようになると同社は予測する。

 同社は、iPadなどのタブレット・デバイスをデジタル家電の新カテゴリと位置付け、「メディア・タブレット」と呼んでいる。タッチ・スクリーンを備え、画面サイズは5~11インチ、無線LAN(Wi-Fi)でインターネットに接続し、ゲームや動画視聴などができる、というのがその定義だ。

 ノート・パソコンの主な用途がプロダクティビティ、携帯電話はコミュニケーションであるのに対し、メディア・タブレットのそれはエンターテインメントだと説明する。このメディア・タブレットは、ノート・パソコンやネットブックに取って代わるものにはならないと同社はみており、少なくとも今後数年、富裕層向け工業製品の市場で、新たな高級デジタル家電という位置付けでその地位を保つという。

 1月初旬に開催された家電の国際見本市「CES(Consumer Electronics Show)」では、中国Lenovo Group(聯想集団)や、米Hewlett-Packard(HP)、台湾ASUSTeK Computer(ASUS)などの大手ほか、インドNotionや英Innovative Converged Devices(ICD)といった新興企業が製品を披露した。タブレット・デバイスは今後続々登場してくると予想される(関連記事:「スマートフォン」「タブレット」「電子書籍」「スマートブック」、CESの話題で分かる2010年の新潮流)。

 「各社の最大の課題は、いかに潜在顧客に認知させられるかにかかっている」と同社シニア・アナリストのJeff Orr氏は述べる。大手は、小売業者や通信事業者との関係を既に築いているが、新興企業にはそれがなく不利な立場。しかし、Appleがすでに製品カテゴリの認知度を高めており、新興企業のビジネスを後押しするのではないかとOrr氏はみている。

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