日経マーケット・アクセスが今秋から開始した企業情報システム担当者への調査で,7月~9月四半期のIT予算の前年同期比を,製造,流通,サービスの業種別に比較した。

 全業種平均の前年同期比13.2%増(前々回記事参照)に対して,大きく上回ったのが「サービス業」で23.4%増。「製造業」は14.5%増でほぼ平均並み。回答数が少ないため参考値扱いだが,「流通業」は5.0%増と低い。製造,サービス業では「完全に削減(前年同期はゼロでなかったIT予算が,今四半期はゼロになった)」という回答が0%だったのに対し,流通業では8.7%あった点が目立つ。

注◆
 調査実施時期は9月中旬,調査全体の有効回答は377件。本文中の「IT予算の前年同期比の平均」は,選択式回答の「完全に削減」を-100%,「昨年同期の50%未満にまで削減」を-75%,「50%以上80%未満にまで削減」を-35%,「80%以上90%未満」を-15%,「90%以上110%以内」を0%,「110%超120%以内」を+15%,「120%超150%以内を+35%,「150%超200%以内」を+75%,「200%超」を+125%,「昨年同期の予算はゼロ」を+200%に換算して加重平均した。
 「製造業(本設問での有効回答数58)」は「機械製造」,「コンピュータ,周辺機器製造」,「その他電気・電子機器製造」,「上記3種以外の製造業」を合計した。  「サービス業(同34)」は「サービス業(マスコミ,広告,デザイン,飲食店,その他)」,「専門サービス(弁護士/会計士など)」,「金融/証券/保険業」,「運輸/エネルギー」,「通信サービス」,「情報処理/ソフトウエア/SI・コンサルティング/VAR」の合計。
 「流通業(同23)」は「商社」,「コンピュータ関連販売」,「上記2種以外の流通/小売」の合計。なお本調査ではコンピュータ関連業種の回答者にも「自社の業務処理のためのIT投資」について回答することを求めた。本設問では「コンピュータ,周辺機器製造」の有効回答は1件,「情報処理/…/VAR」は6件,「通信サービス」は1件,「コンピュータ関連販売」は0だった

図●最新四半期(2006年7月~9月)の業種別IT投資予算の昨年同期比(回答者が予算執行・承認権限を持つ範囲の総額)