日経マーケット・アクセスが企業の情報システム担当者を対象に行った調査で,2006年7月~9月四半期の「IT予算の前年同期比」は平均13.2%増だった。約50%の回答者が「ほぼ昨年同期なみ(90%以上110%以内)」,昨年同期より増えたとする回答者が約3割,減ったとする回答者が約2割で,全体を平均して見ると前年よりIT予算は増加傾向,という結果だ。

 ここでは図示していないが,回答者が執行・承認権限を持つ今四半期のIT予算の平均額は約2000万円。執行・承認権限額1000万円を境に回答者を二分してみたところ,「1000万円未満(有効回答49件)」の平均は前年同期比18.9%増,「1000万円以上(有効回答73件)」の平均は同12.7%増。比較的小規模なIT予算枠を持つグループの方が,予算を増やしているという傾向を示した。

 明日からは今回調査で明らかになった四半期IT予算の平均額,業種別/企業規模別/適用分野別の予算増減の結果を紹介する。

注◆
 調査実施時期は9月中旬,調査全体の有効回答は377件。本文中の「IT予算の前年同期比の平均」は,選択式回答の「完全に削減」を-100%,「昨年同期の50%未満にまで削減」を-75%,「50%以上80%未満にまで削減」を-35%,「80%以上90%未満」を-15%,「90%以上110%以内」を0%,「110%超120%以内」を+15%,「120%超150%以内を+35%,「150%超200%以内」を+75%,「200%超」を+125%,「昨年同期の予算はゼロ」を+200%に換算して加重平均した。平均値は+13.2(%),標準偏差は58.4(%)だった。

図●最新四半期(2006年7月~9月)のIT投資予算総計の昨年同期比(回答者が執行・承認権限を持つ予算の総額について,n=139)