写真●Nimble Storageの外観
写真●Nimble Storageの外観
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 アセンテックは2014年7月1日、SSD(フラッシュストレージ)とメインメモリーを利用した独自のキャッシュ技術によって高速化を図ったiSCSIストレージ「Nimble Storage」(写真)のラインアップを拡張し、新たにハイエンドモデル「CS700」の販売を開始した。これまでのハイエンドモデル「CS460」と比べてCPU性能などを高めたことで、I/O性能は4台の最大構成時に最大50万I/O毎秒になった。価格(税別)は3000万円台。開発会社は、米Nimble Storage。

 Nimble Storageは、SSDとHDDを組み合わせたiSCSIストレージである(関連記事:SSD/メモリーをキャッシュとして使うiSCSIストレージ「Nimble」が3月1日出荷)。最大の特徴は、一般的なSSD/HDD混在ストレージとは異なり、SSDをHDDに対するキャッシュとして利用すること。メインメモリーをライト(書き込み)キャッシュとして、SSDをリード(読み込み)キャッシュとして使う。

 ライトキャッシュにメインメモリーを使うことで、HDDへのシーケンシャル(連続的な)書き込みを実現し、書き込みを高速化する。バッファーに一定量の書き込みデータが溜まってから、これをまとめてHDDに書く仕組み。また、メタデータはSSD上に格納し、参照を高速化する。一方、SSDはリードキャッシュとして使う。ライトキャッシュ上のデータのうち、再利用性が高いデータについては、最初からリードキャッシュ上にコピーしておく。

 Nimble Storageはこれまで、性能と容量の違いによって、ローエンドモデルの「CS210」(データ容量8Tバイト、SSD容量160Gバイト)から、ハイエンドモデルの「CS460」(データ容量36Tバイト、SSD容量は1.2Tバイトまたは2.4Tバイト)まで、全7モデルを用意してきた。なお、これらのベースモデルには、オプションのストレージ拡張ユニット(最大構成時に、データ容量45Tバイト、SSD容量は600Gバイト)を最大で3台まで追加できる。

 今回、新たにハイエンドモデルのCS700をラインアップに加えた。既存のハイエンドモデルであるCS460との違いは二つある。一つはCPU性能などを高めてI/O性能を高めたこと。CS460は1ユニット当たり5万~7万 I/O毎秒だが、CS700は1ユニット当たり12万5000 I/O毎秒となった。また、ベースユニットの内蔵SSD容量も、2.4Tバイトから3.2Tバイトに増やした。

 CS460と比べたもう一つの違いは、これまでの拡張ユニットとは別に、オールフラッシュタイプの拡張ユニットを1台まで追加できること。オールフラッシュの拡張ユニットには、最大構成で容量800GバイトのSSDを16個搭載する。これにより、ベースユニットのSSD容量3.2Tバイトと合わせて、システム全体で16TバイトのSSDを搭載できる。