写真●Nimble Storageの外観
写真●Nimble Storageの外観
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 アセンテックは2014年2月6日、SSDとメインメモリーを利用した独自のキャッシュ技術によって高速化を図ったiSCSIストレージ「Nimble Storage」(写真)を3月1日から出荷すると発表した。同製品は2013年10月に発表済み(12月に販売開始済み)であり、今回、出荷時期が定まったことをアナウンスした形である。価格(税別)は、容量8Tバイトの最小構成モデル「Nimble Storage CS210」が390万円。開発会社は、米Nimble Storage。

 Nimble Storageは、SSD(フラッシュストレージ)とHDD(ハードディスク)を組み合わせたIP-SAN(iSCSI)ストレージである(関連記事:アセンテック、SSDとメモリーをキャッシュとして利用するiSCSIストレージ「Nimble」を発表)。最大の特徴は、一般的なSSD/HDD混在ストレージとは異なり、SSDをHDDに対するキャッシュとして利用することである(関連記事:キャッシュは階層型ストレージより3倍速い)。メインメモリーをライト(書き込み)キャッシュとして、SSDをリード(読み込み)キャッシュとして使う。これに対して一般的なストレージ製品の多くは、SSD/HDDを混在させてILM(階層型ストレージ管理)の形態をとる。

 ライトキャッシュにメインメモリーを使うことで、HDDへのシーケンシャル(連続的な)書き込みを実現する。例えば、1000個のランダムI/Oを、1個のシーケンシャルI/Oで置き換えることができる。バッファーに一定量の書き込みデータが溜まってから、これをまとめてHDDに書く仕組みである。メタデータはSSD上に格納し、参照を高速化する。

 一方、SSDはリードキャッシュとして使う。ライトキャッシュ上のデータのうち、再利用性が高いデータについては、最初からリードキャッシュ上にコピーしておく。再利用性が高いかどうかの判断は、ランダムI/Oかどうかやアプリケーションの種類などによる。例えば、シーケンシャルなデータならHDDでも高速なのでキャッシュしないほか、ログデータは再利用性が低いのでキャッシュしないといった具合である。