写真●米CA Technologiesでソフトウエア・エンジニアリング担当バイス・プレジデントを務めるデイビッド・ブラウン氏
写真●米CA Technologiesでソフトウエア・エンジニアリング担当バイス・プレジデントを務めるデイビッド・ブラウン氏
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 CA Technologiesは2014年6月24日、メインフレーム向けデータバックアップソフトの新製品で、データのバックアップ先としてAmazon S3/Glacierなどのクラウドストレージを利用するための機能を備えた「CA Cloud Storage for System z」を発表(写真)、同日提供を開始した。クラウドストレージの活用によってデータ保管費用を削減できるようにするのが狙い。

 CA Cloud Storage for System zは、米IBMのメインフレーム「System z」向けのデータバックアップソフトである。既存の仮想テープ装置ソフト「CA Vtape」をベースに、NFSマウント機能を付加した。これを使えば、外部のバックアップ用NASストレージに対して、メインフレームのデータをバックアップできるようになる。バックアップ先としてNAS(NFS)ストレージを利用可能にしたことで、ストレージ費用が安価なクラウドストレージをデータのバックアップ先として利用できるようにした。

 想定しているバックアップシステムの構成は、以下の通り。NFSでアクセスできるバックアップNASストレージとして、米Riverbed Technologiesの「SteelStore」(2014年5月に旧称のWhitewaterから改称)を使う(関連記事:リバーベッド、データをクラウドに格納するバックアップNASゲートウエイに後継機)。SteelStoreは、米Amazon Web Services(AWS)のクラウドストレージであるAmazon S3やAmazon Glacierにデータを格納する。

 SteelStoreの特徴は、バックアップソフトからはNAS(CIFS/NFS)に見える一方で、バックアップデータをクラウドストレージ(REST APIで利用可能なオブジェクトストレージ)に格納する点である。バックアップデータは、重複排除によって容量を削減した上で非同期でクラウドに転送する。SteelStoreが内蔵するディスクは、クラウドのキャッシュとして機能する。

 CA Cloud Storage for System zの価格は、SteelStoreに転送するバックアップデータ量に応じて月額制で発生する。512Tバイトのデータをバックアップするケースでは、1Gバイト当たり月額20~27円程度になる。なお、SteelStoreの購入費用やAmazon S3/Glacierの利用料は別途必要になる。SteelStoreの推定価格(定価)は、エントリー機種「Whitewater 730」で1200万円程度から。