みずほ証券は、米インテルのメニーコア型プロセッサ「Xeon Phi」を採用したと発表した(発表資料)。デリバティブ商品の評価システムにおいて、2014年3月10日から本番運用している。みずほ証券によると、Xeon Phiをこうした用途で使うのは世界初という。

 みずほ証券は、通常の8コアのXeonを使ったサーバーで演算した場合と比較して、Xeon Phiを用いることで約30倍の高速化を実現したという。デリバティブ商品の設計を効率化することで、多様な金融商品をスピーディに提供できるようにする。

 みずほ証券は2008年には、米IBMと東芝、ソニー・コンピュータエンタテインメントが開発したマルチコア型プロセッサ「Cell/B.E.」を、同様の目的で採用発表していた(関連記事:みずほ証券がCellブレードを金融で世界初導入、処理速度を10倍以上に)。

 Xeon Phiは、x86系CPUコアを60個ほど集積してあり、それらをリングバスで接続した形のプロセッサである。コア単位の並列性に加えて、各コアは512ビット幅のSIMDユニットを備えている。PCI Express接続のボードに同プロセッサを搭載し、通常のサーバーに拡張ボードとして搭載することが多い。

 今回のシステムの開発では、Xeon Phi向けの並列化の工夫において、並列化技術を得意とする企業であるフィックスターズが協力した。