写真●「Solid 2014」に登壇したティム・オライリー氏
写真●「Solid 2014」に登壇したティム・オライリー氏
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 2014年5月22日(現地時間)、インターネットによる変革をテーマにした専門イベント「Solid 2014」(関連記事)の基調講演に、主催者であるオライリーメディアの創設者であるティム・オライリー氏が登壇した(写真)。

 同氏は、このところ話題を集めているIoT(Internet of Things)のインパクトに関して、「たくさんのセンサーが、新しい種類のユーザー・インタフェースを創り出している」と表現した。

 その例として取り上げたのが、タクシーの配車システム「Uber」。同氏によれば、Uberは単なるスマートフォンのアプリケーションではなく、タクシーの利用者と運転手をつなぐネットワークであり、GPSや課金システムなどの要素を統合したシステムだというのである。その結果、ユーザーには「スマートフォンでタクシーを呼び出して自宅で待つ」「支払いは事前登録のクレジットカード経由で自動課金され、降車時の手続きが不要になる」という新しいユーザー体験がもたらされるというわけだ。

 続けて、クラウド上のストレージサービスを提供する米Box創業者のアーロン・レヴィ氏による「Uberとは、“世の中はこうあるべき”とするものを作るための35億ドルの授業料である」というツイートを引用。その重要性を強調した。
 
 オライリー氏は、こうした新しいユーザー・インタフェースやユーザー体験を創り出したサービスとして、レストランでの支払い手続きを不要にする「COVER」や、自分の預けた荷物をネット上で管理できる貸し倉庫サービス「MakeSpace」を挙げた。

 同氏は「自分たちが解決できる問題を考え、新しい技術を採用し、この世界をよりいい場所にしていこう」と呼びかけて講演を締めくくった。