中国ECサイト大手のJD.com(京東商城)が現地時間2014年5月22日、米NASDAQ市場に上場した。ティッカーシンボルは「JD」。公募・売り出し価格を10%上回る20.90ドルで初日の取引を終えた。

 JD.comが米証券取引委員会(SEC)に提出した同日付の書類によると、米国預託証券(ADS)の新規株式公開(IPO)価格は19.00ドルで、9368万5620株を売り出した。調達額は約17億8000万ドルとなる。

 初日は、IPO価格を14%上回る21.75ドルで取引を開始し、20%高の22.80ドルまで急騰した。その後落ち着きを見せ、20.90ドルで引けた。

 JD.comは、Richard Qiangdong Liu会長兼最高経営責任者(CEO)が2004年1月に立ち上げた。2013年の売上高は693億人民元で前年比68%増加。5000万人民元の純損失を計上しているが、前年の17億人民元からは大幅に赤字を縮小している。

 米メディアの報道(米Wall Street Journal)によると、JD.comの企業価値は280億ドルと見積もられる。同社の好調なIPOは中国オンライン事業に対する投資家の関心の高さを示している。今後、中国EC最大手とされるAlibaba Group(阿里巴巴)が米国でIPOを実施する予定で、米Facebook以来のIPO規模になるとも見られている(関連記事:Alibabaが米国でのIPOを申請、Facebook以来の規模になる見込み)。