写真●EP8000 S814/S824の外観
写真●EP8000 S814/S824の外観
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 日立製作所は2014年5月14日、OSにAIXを搭載したUNIXサーバー機「EP8000シリーズ」のラインアップを強化し、エントリークラスの2モデルについて、最新CPU「POWER8」を搭載した後継モデル(写真)を用意したと発表した。トランザクション性能は、既存モデル比で最大約1.9倍という。しばらくはPOWER7+搭載の既存モデルを併売し、徐々に新モデルに一本化する。

 EP8000シリーズは、米IBM製のCPUとOS(POWERプロセッサーとAIX)を採用した、SMP(対称型マルチプロセッシング)構成のRISC UNIXサーバー機である(関連記事:日立、AIXサーバーのエントリー機にPOWER7+を搭載)。

 今回新たに、エントリーモデルとして、「EP8000 S814」(最大6CPU、メモリーは16G~512Gバイト)と、「EP8000 S824」(最大24CPU、32G~1024Gバイト)の2モデルを用意した。価格(税別)は、最小構成(6CPU構成)で、S814が327万6200円から、S824が732万900円から。いずれも7月31日に出荷する。

 新モデル2製品の特徴は、EP8000シリーズとしては初めて、CPUに最新のPOWER8を搭載したこと。新モデルのS814とS824はそれぞれ、POWER7またはPOWER7+を搭載可能な既存モデル「EP8000 720」(最大6CPU)と「EP8000 740」(最大16CPU)の後継製品という位置付け。

トランザクション性能を1.9倍に向上

 既存モデルとの比較では、システム性能を高めた。例えば、EP8000 S824とEP8000 740を比べた場合、最大CPU搭載数は16個から24個へと1.5倍に向上、1コア当たりのスレッド数は4スレッドから8スレッドへと2倍に向上した。あわせて、メモリーやデータ入出力の帯域幅を強化した。これにより、トランザクション処理性能を従来比で約1.9倍に向上させた。

 ストレージ機能も強化した。2.5型ドライブの搭載スロットを18スロットに拡張したほか、S824では1.8型SSD専用の搭載スロットを新たに8スロット設けた。これらの強化により、内蔵ストレージ容量を従来モデルのEP8000 740と比べて3.4倍に拡大した。さらに、ハードディスクとSSDを混在させて搭載した場合に、アクセス頻度に応じてデータを相互に移動させる自動ILM(階層化)機能を使えるようにした。FC(FibreChannel)アダプターの速度も従来モデルの2倍となる16Gビット/秒のものを搭載した。

 なお、EP8000シリーズは、新モデルを含めて全8モデルで構成する。エントリーモデルは、新モデルがS814とS824、既存モデルが740と720である。ミッドレンジモデルは、750(最大32CPU、POWER7)と770(最大64CPU、POWER7+)、ハイエンドモデルは、780(最大64CPU、POWER7+)と795(最大256CPU、POWER7)である。