写真●EP8000 720(およびEP8000 740)の外観
写真●EP8000 720(およびEP8000 740)の外観
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 日立製作所は2013年2月27日、OSにAIXを搭載したUNIXサーバー機「EP8000シリーズ」のうち、エントリークラスの2モデルについて最新CPU「POWER7+」搭載機を用意したと発表した。

 既存CPU「POWER7」搭載機と比べて、トランザクション性能を最大で約1.2倍、設定できる仮想サーバー数を2倍に高めた。同年3月1日に販売を開始し、同年4月26日から出荷する。これにより、先行して販売している上位2モデルと合わせ、全6モデル中の4モデルにPOWER7+が載る。

 EP8000シリーズは、米IBM製のCPUとOS(POWERプロセッサーとAIX)を採用した、SMP(対称型マルチプロセッシング)構成のRISC UNIXサーバー機である。ラックマウント型(または専用ラック型)のきょう体を持ち、主として金融取引やデータベースサーバーなど、ハードウエアの信頼性/可用性を要求する用途を想定する。なお、同社の業務用サーバーには、EP8000のほかにも、ブレードサーバー(HP-UX、Windows Server)、Linuxサーバー、メインフレーム(VOS)などがある。

 EP8000のモデル構成は、エントリークラスが「EP8000 720」(最大6-Way、写真)と「EP8000 740」(最大16-Way)、ミッドレンジクラスが「EP8000 750」(最大32-Way)と「EP8000 770」(最大64-Way)、ハイエンドクラスが「EP8000 780」(最大64-Way)と「EP8000 795」(最大256-Way)、である。従来、POWER7+搭載機はハイエンドのEP8000 780とミッドレンジのEP8000 770の二つだけだったが、今回エントリーのEP8000 720とEP8000 740にPOWER7+を搭載した。

 POWER7+は、既存のPOWER7と比べて動作周波数やL3キャッシュ容量を高め、処理性能を最大で約1.2倍に向上させた。さらに、ファームウエアの刷新などによって論理パーティション(LPAR)機能を高め、プロセッサー当たりの仮想サーバー数を、従来比で2倍となる20LPARに拡大した。これにより、EP8000 720では120LPAR、EP8000 740では320LPARの仮想サーバーを構築できるようになった。

同一仕様での比較ではPOWER7+モデルが安価

 今回POWER7+搭載モデルを追加したエントリー2モデルの主な仕様と価格(税込み)は、以下の通り。

 EP8000 720は、POWER7搭載モデルとPOWER7+搭載モデルともに、CPUが4-Wayまたは6-Way、メモリーが8G~512Gバイト、本体の大きさは4Uラックマウント。価格は、POWER7搭載モデルが250万2255円から。POWER7+搭載モデルはPOWER7搭載モデルよりも安価であり、243万8205円から。

 EP8000 740は、POWER7搭載モデルの場合、CPUが4-Wayまたは8-Way、メモリーが16G~1024Gバイト。POWER7+搭載モデルの場合、CPUが8-Wayまたは16-Way、メモリーが32G~1024Gバイト。いずれも本体の大きさは4Uラックマウント型。価格は、POWER7搭載モデルが578万7285円から、POWER7+搭載モデルが807万5340円から。

■変更履歴
最後から2番目の段落で「POWER7搭載モデルが275万2155円から」としていましたが正しくは「POWER7搭載モデルが250万2255円から」、最後の段落で「POWER7搭載モデルが532万2975円から」としていましたが、正しくは「POWER7搭載モデルが578万7285円から」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2013/2/28 16:10]