写真●MIRACLE ZBX Act/Act Adapterの概要(出典:ミラクル・リナックス)
写真●MIRACLE ZBX Act/Act Adapterの概要(出典:ミラクル・リナックス)
[画像のクリックで拡大表示]

 ミラクル・リナックスは2014年5月12日、Zabbixベースのシステム監視ソフト「MIRACLE ZBX」や大規模監視向けの上位版「MIRACLE ZBX Enterprise Pack V2.0」のオプションとして、システム監視サーバーをアクティブ・アクティブ構成で運用できるようにするソフト「MIRACLE ZBX Act/Act Adapter」を開発中であることを発表した。これを使うと、監視オペレーターへの負担はそのままに、システム監視サーバーの可用性を高められる。製品化の時期と価格は未定。

 前提となるMIRACLE ZBXは、システム監視ソフトである。同ソフトを搭載したアプライアンスも用意している(関連記事:1000台/10万項目を監視できるZabbixアプライアンス、システム構築とセットで提供)。価格(税別)は、大規模監視向けの上位版ソフトで10万円など。アプライアンスのハイエンド機種(ZBX8200)では、HA(高可用性)クラスタリングソフトの「CLUSTERPRO X3.1」を最初からバンドルするなど、大規模システムの監視に合わせて可用性にも注力している。

 開発中のMIRACLE ZBX Act/Act Adapterは、複数台のMIRACLE ZBXサーバーを束ねる上位サーバーとして機能する(写真)。前提として、同一の監視設定を施したMIRACLE ZBXサーバーを複数台用意し、これをアクティブ・アクティブ構成で同時に稼働させることが必要になる。ただし、このままだと監視メッセージがMIRACLE ZBXサーバーの台数分だけ重複して配信されることになるので、MIRACLE ZBX Act/Act Adapterがこれらのメッセージを束ね、一つに集約して配信し直す仕組みである。

 従来、MIRACLE ZBXサーバーを多重化して可用性を高める場合、やり方に応じて課題があった。例えば、クラスタリングソフトを使ってアクティブ・スタンバイ構成でクラスターを組んだ場合、待機系に切り替わるまでの数分間は監視できないという問題があった。一方、アクティブ・アクティブ構成で複数台の監視サーバーを運用した場合、監視メッセージが重複し、監視オペレーターの負担が増えてしまっていた。今回のMIRACLE ZBX Act/Act Adapterは、これらの課題を解決する。