写真1●ECS Applianceを発表
写真1●ECS Applianceを発表
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写真2●ViPR 2.0の概要
写真2●ViPR 2.0の概要
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 米EMCは2014年5月5日(現地時間)、ストレージサービスを構築するためのアプライアンス製品「EMC Elastic Cloud Storage(ECS)Appliance」を発表した。「オブジェクトストレージを4年間利用する場合で比較すると、アマゾンやグーグルが提供するストレージサービスの方が、ECSより23%から28%もTCOが高い」。ラスベガスで開催中の「EMC World 2014」(関連記事)で同製品を披露した米EMC インフォメーション インフラストラクチャー CEOのデビッド・ゴールデン氏は、サービスで先行するクラウド事業者への対抗心を表した(写真1)。

 ECS Applianceは、ソフトウエアストレージを汎用サーバーにインストールしたアプライアンス製品で、これまで“Project Nile”として開発が進められてきた。ストレージサービスを提供したい事業者が利用するほか、ユーザー企業がプライベートクラウドに導入することも可能だ。ECS Applianceのリリースは、2014年第2四半期を予定する。

 ECS Applianceのソフトウエアストレージは、同社のストレージ仮想化ソフト「ViPR」をベースにしている。具体的には、管理機能「ViPR Controller」の配下で、オブジェクトストレージおよびブロックストレージを制御できる。

 EMC World 2014で発表された、ViPRの新版「ViPR 2.0」は、利用可能なストレージを増やしていることが特徴の一つ(写真2)。従来のオブジェクトストレージとHDFSに加えて、同社のソフト製品「ScaleIO」を経由したブロックストレージへのアクセスを可能にした。また、ViPR Controllerにプラグインすることで、OpenStackのCinderに準拠したストレージへもアクセスできるようになった。