写真●「データサイエンティスト実践講座」の様子。100人近くの聴講者が熱心に講演者の話に聞き入った
写真●「データサイエンティスト実践講座」の様子。100人近くの聴講者が熱心に講演者の話に聞き入った
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 日経情報ストラテジーは2014年4月25日、都内で「データサイエンティスト実践講座」を開いた。日本航空(JAL)や外食のがんこフードサービス、作業服販売のワークマンのデータサイエンティストらが登壇し、データ分析で成果を出す仕組みづくりについて語った(写真)。

 JAL Web販売部1to1マーケティンググループの野口雄一郎グループ長は、データ分析を業務に生かせない組織の例として、「理系やIT出身者をとりあえず集める」「分析ツールやデータウエアハウス(DWH)などの、ハードやツールありきで考える」「まずは外部のコンサルタントに依頼する」の3つを挙げた。

 JALでデータサイエンティストとして活躍する、Web販売部1to1マーケティンググループの渋谷直正アシスタントマネジャーは、「最低限必要な数種類のデータ分析手法を使えれば十分」とし、「クロス集計がデータ分析の第一歩になる」と力を込めた。

 次に登壇したがんこフードサービスの新村猛副社長は、研究者の顔を持つ一風変わった経営者だ。新村副社長はデータ分析を駆使し、調理場のレイアウトや人員配置を最適化した実例などを紹介。データ分析を業務に生かすためには、観測・分析・設計・適用のサイクルを繰り返す「最適設計ループ」が重要という考えを示した。

 ワークマンの土屋哲雄常務は、同社における需要予測の仕組みについて語った。ワークマンは「移動平均」や「ホルト・ウィンタース」といった7つの需要予測アルゴリズムを駆使し、前週の実績を“予測”。実績に最も近い“予測値”をはじき出したアルゴリズムを今週の発注に適用する仕組みを採用している(関連記事)。

 土屋常務は講演の最後に、データ分析の仕組みも含め、「今後は社名とロゴ以外は全部変えていく」と強調した。