米MicrosoftがSatya Nadella最高経営責任者(CEO)の新体制のもとで発表した「Office for iPad」は、Nadella氏ではなくSteve Ballmer前CEOが決断したものだったことを、Office for iPadチームが現地時間2014年4月8日に明かした。

 Microsoftは3月27日に米Appleの「iPad」向けOfficeアプリケーション(「Word for iPad」「Excel for iPad」「PowerPoint for iPad」)の無償提供を開始した。4月3日には、リリース後1週間で合計1200万ダウンロードに達したと発表した(同時に新版を公開した「OneNote for iPad」を含む、関連記事:MicrosoftのiPad版Office、1週間で1200万ダウンロード突破)。

 Office for iPadのエンジニアリングチームは4月8日、ソーシャルニュースサイト「reddit」のQ&Aセッション「Ask Me Anything」に登場。「Nadella氏はメディアが書き立てているようにMicrosoftの救世主か?大々的に報じられている動きのうちNadella氏の功績はどれくらいで、Ballmer氏はどれくらいか?」との質問に対して、「Kaberi」と名乗るテクニカルプロダクトマネージャーが「Office for iPadはNadella氏がCEOに就任する前に決まっていた。Ballmer氏が出荷計画を承認した」と答えた。

 しかし、Ballmer氏はいずれiPad向けOfficeを出すと発言した際、リリース時期については言及しなかったという。Microsoftは数年にわたってOffice for iPadの開発に取り組み、同製品が日の目を見る頃にNadella氏が新CEOに就任した(米Wall Street Journalの報道)。

 これまでBallmer氏はiPad向けOfficeの提供を拒み、Windows 8向けを最優先していたと見られていたが、「そのような頑固な思考の人物ではないことが分かった」と、米Vergeは報じている。