米電子プライバシー情報センター(EPIC)と米消費者保護団体のCenter for Digital Democracy(CDD)は、米Facebookによる米WhatsApp買収計画に関して、米連邦取引委員会(FTC)に調査を求める書類を現地時間2014年3月6日に提出した。同買収がユーザーのプライバシー侵害につながるおそれがあると主張している。

 Facebookは、スマートフォン向けメッセージングアプリケーションを手がけるWhatsAppを約160億ドルで買収することで両社が合意したことを2月19日に発表した。合意条件には、手続き完了後に合計30億ドル相当の制限付き株(RSU)をWhatsApp創業者および従業員に付与することも含まれている(関連記事:Facebook、メッセージングアプリ「WhatsApp」を約160億ドルで買収へ)。WhatsAppの月間ユーザーは4億5000万人を超え、その70%は毎日アクセスしている。

 FacebookのMark Zuckerberg最高経営責任者(CEO)は、買収後もWhatsAppを独立事業として維持し、ビジネスの変更は無いと明言している(関連記事)。しかしEPICとCDDは「Facebookは日常的にユーザー情報を広告配信目的に使用しており、WhatsAppユーザーのデータをFacebookのビジネスモデルに統合する意向であることははっきりしている。この買収は、個人情報の広告向け使用に関するWhatsAppユーザーの認識を裏切るもので、不公正かつ欺瞞的な取引慣行にあたる」と主張。FTCに対し、買収がWhatsAppユーザーのプライバシーに与える影響を調査するよう要求した。

 申請書類によれば、WhatsAppはユーザー名や電子メール、住所などの個人情報を収集しない方針をとっており、こうした強力なプライバシーポリシーが利用者に受け入れられ、ユーザー拡大の基盤になっているとEPICおよびCDDは説明している。

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[FTCへの提出書類(PDF文書)]