写真●APEX 2800 MXMの外観
写真●APEX 2800 MXMの外観
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 エルザジャパンは2014年2月14日、米VMwareのVDI(デスクトップ仮想化)ソフト「VMware Horizon View」の処理性能を高める専用アクセラレータカード「Teradici APEX 2800」の製品ラインアップを拡充し、新たにブレードサーバー向けの製品を追加したと発表した。米Hewlett-Packard(HP)製ブレードサーバーで利用できる。2月末から国内出荷する。価格は調整中で、20万円台の後半になるもよう。開発会社は、カナダのTeradici。

 製品名称は「Teradici PCoIP Hardware Accelerator for HP ProLiant Gen8 Blade Servers」(APEX 2800 MXM、写真)。米HPのブレードサーバー「BL460c/WS460c」専用の製品である。既存の「APEX 2800」はPCI Expressバスに装着する汎用製品だが、今回のAPEX 2800 MXMは、ブレードサーバーのメザニンカードスロットに装着するタイプである。海外では、米HP向けのほかに米DELLのブレードサーバー「M420/M520/M620」向けの製品も提供している(国内では今後提供予定)。

 提供するアクセラレータ機能は、標準製品でPCI Expressバス接続型のAPEX 2800と共通である(関連記事:エルザ、VMware View(PCoIP)のCPU負荷を下げるアクセラレータカードを出荷)。VMware Horizon Viewの画面情報端末プロトコル「PCoIP」(PC-over-IP)における画像エンコード処理をアクセラレータカードにオフロードする。仮想デスクトップ機を動作させる物理サーバー(VMware ESX/ESXi)に装着することで、PCoIPの処理をサーバーCPUによるソフトウエア処理から、アクセラレータによるハードウエア処理へと切り替えられるようにする。

 アクセラレータを使うとサーバーCPUの使用率を低減できる。これにより、1台のブレードサーバーで、より多くの仮想デスクトップ機を動作させられるようになる。VDIの物理サーバー機としてはブレードサーバーがよく使われるため、ブレードサーバー向けのアクセラレータカードには需要がある。アクセラレータカードは、1台のブレードサーバーに最大2枚まで装着できる。アクセラレータ処理できる仮想デスクトップの台数は、カード1枚で1920×1200ドット×64台、カード2枚では128台である。

 なお、PCoIPは、Teradiciが設計した画面情報端末プロトコル。VMware Horizon Viewでは、Windows標準のRDP(Remote Desktop Protocol)とPCoIPのいずれかを利用できる。PCoIPの主な特徴は、ネットワーク帯域や遅延に応じて動画の解像度を落とすなど、ユーザーの体感上の画面操作性やレスポンスを高めていること。