コンテナー型BYODソフト新版、中継サーバーをクラウド化

写真●DME新版では、中継サーバーをクラウドで提供可能にした（出典：ソリトンシステムズ）

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　ソリトンシステムズは2014年2月12日、BYOD（私物デバイスの業務利用）を支援するセキュリティソフトの新版「DME 4.1 SP3」を発表、同日販売を開始した。社内のグループウエアやWebシステムを、iOS/Androidから安全に利用できるようにするソフトである。新版では、中継サーバーをクラウドサービスとして利用できるようにした。さらに、オフィス文書を端末上で編集できるようにしたほか、WebDAVファイルサーバーにアクセスできるようにした。

　DME（Dynamic Mobile Exchange）は、社内のグループウエアやWebシステムにアクセスするためのクライアント機能を一つに集約し、単一のコンテナーアプリケーション「DMEクライアント」として実装したソフトである（関連記事：業務のクライアント機能を一つのアプリに集約したBYODソフト）。この仕組みにより、企業の情報システム部門は、社員に私物端末（iOS/Android）を使わせつつ、DMEクライアントだけを管理すればよくなる。

　エンドユーザーは、DMEクライアントをタップして起動するだけで社内システムにアクセスできるようになる。DMEクライアントの中では、メニュー操作によって、Exhange Server/Notes Dominoのクライアントとなるメール/スケジューラー機能や、任意のWebシステムにアクセスするためのWebブラウザー機能を呼び出す。DMEクライアント内のデータは暗号化されており、OSや他のアプリケーションからは閲覧できない。

　今回の新版では、サービスメニューを拡充して、サーバー機能のすべてをクラウドで提供できるようにした。さらに、文書ビューアーで文書の加工を可能にするなど、いくつかの機能を強化した。

文書ビューアーを強化し、文書の編集/加工を可能に

　機能面では、オフィス文書をDMEクライアント内で編集加工できるようにした。これまでも専用ビューアを介してオフィス文書を閲覧できていたが、今回、ビューアソフトにエディター機能を追加した。扱える文書形式は、Microsoft Office（Word/Excel/PowerPoint）、PDF、テキストファイル。

　また、接続先のグループウエアとして、オンプレミスのExchange Serverだけでなく、クラウド型サービスであるOffice 365のExchange機能を利用できるようにした。さらに、DMEクライアントのWebブラウザー機能を強化し、通常のWebシステムに加えて、WebDAVプロトコルを用いたファイルサーバーにアクセスできるようにした。

サーバーソフトをクラウドに設置可能に

　サービスメニューの拡充では、DMEクライアントと社内グループウエア/Webシステムを仲介するゲートウエイサーバーの設置場所として、オンプレミスだけでなくソリトンシステムズのデータセンターを選択できるようにした（写真）。なお、ゲートウエイサーバーには、グループウエア中継用の「メール/PIM接続サーバー」と、Webアクセス中継用の「Web接続サーバー」の二つがある。

　クラウドを利用した新サービスメニューの価格（税別）は、クラウド接続用のVPNルーター装置込みで、以下の通り。（a）「ハイブリッドA（AppBox）」は、Web接続サーバーをクラウド側に設置し、メール/PIM接続サーバーをオンプレミスで運用する。価格は、1ユーザー当たり月額3万2000円から。（b）「ハイブリッドC（Connector）」は、メール/PIM接続サーバーをクラウド側に設置し、Web接続サーバーをオンプレミスで運用する。価格は、1ユーザー当たり月額2万5000円から。（c）「フルクラウド」は、Web接続サーバーとメール/PIM接続サーバーの両方をクラウド側に設置する。価格は、1ユーザー当たり月額5万7000円から。

　なお、クラウド側にサーバーソフトを配置しない従来型のサービスメニューの価格に変更はない。最小構成時（1～200人）の価格は、ライセンス買い取り型の場合で1ユーザー当たり2万760円（Webブラウザー機能はオプションで、8300円）から、月額課金制の場合で1ユーザー当たり月額800円（Webブラウザー機能はオプションで、300円）から。