写真1●ITpro EXPOで展示したDME(写真:中村宏)
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写真2●展示ブースでは約10台の端末でDMEをデモ(写真:中村宏)
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 ITpro EXPO AWARD 2012でCNET Japan賞に選ばれたのは、ソリトンシステムズのBYOD(私物デバイスの業務利用)ソフト「DME(Dynamic Mobile Exchange)」である(写真1)。社内のグループウエアをスマートデバイスから安全に利用できるようにする。2012年9月に発表した新版「DME 4.0」では、グループウエアだけでなく任意のWebシステムを利用できる。

 展示ブースでは「セキュアBYOD」と題し、約10台のスマートデバイスを使って最新版のDME 4.0を体験できるようにしていた(写真2)。画面が広いiPadを中心に、iPhone 5やAndroid端末を使ってデモして見せた。初期版のDMEを発表した2011年10月時点(ITpro EXPO2011に出典)では「(機能の一部である)MDMに興味を持つ人が多かった」(モバイル&クラウド事業本部長の松本吉且氏)という。一方で今年は、「BYODへの期待が大きくなっていることを感じる」(松本氏)。

企業クライアント機能を一つのアプリに集約して隔離

図1●私用領域とは独立した安全な領域を運用できる
(ソリトンシステムズの資料より引用)
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図2●安全な領域内でグループウエア機能を利用できる
(ソリトンシステムズの資料より引用)
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図3●Webブラウザーを備えるので、Web業務システムも利用できる
(ソリトンシステムズの資料より引用)
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 DMEは、企業情報システム(グループウエアなど)のクライアント画面を一つに集約し、これをスマートデバイス上で動作する一つのアプリケーション「DMEクライアント」として動作するようにしたソフトである。この仕組みにより、私物のスマートデバイスを使わせつつも、企業はスマートデバイス上のDMEクライアントだけを管理すればよい、ということになる。

 DMEクライアントは、他のアプリケーションやOSからは独立した、閉じた専用コンテナとして機能する(図1)。スマートデバイスのメニューからDMEクライアントを起動することで、DMEクライアントの世界に入っていくことができる。DMEクライアント内では、メニュー操作によって、メーラーやスケジューラといった個々のアプリケーション機能を呼び出して利用する(図2)。DMEクライアント内のデータは暗号化されており、OSや他のアプリケーションからは閲覧できない。

 DMEクライアント内で利用できる企業情報システムは、グループウエアの「Exchange Server」と「Lotus Notes/Domino」、および任意のWebシステムである。基本ライセンスでは、Exchange ServerとNotes/Dominoのクライアント機能に限って利用できる。一方、新版のDME 4.0で追加したオプション「DME AppBox」を適用すると、DMEクライアント上でWebブラウザーのエンジン(DME AppBox)を利用できる(図3)。これにより、任意のWebシステムを利用できるようになる。