インターネットイニシアティブ(IIJ)は2013年11月7日、コンテナ型データセンターのラインアップを拡充し、外気冷却でありながら外気をサーバールームに取り込まない間接外気冷却方式を採用したモデル「co-IZmo I」(図)を発表した。腐食性ガス濃度が高い環境でも利用できる。2014年度(2014年4月以降)からの提供を予定する。
前提となるコンテナ型データセンターとは、貨物のコンテナに似た収納容器を利用したデータセンター設備である。サーバーラック群やファシリティー設備を収容して使う。サーバーを搭載したまま移動/運搬するなど、組み立てや設置を容易にしている。必要に応じてコンテナ単位で拡張できる。
IIJはこれまで、外気をサーバールームに直接取り込んで冷却する外気冷却方式によって消費電力を抑えるコンテナ型データセンターを製品化し、提供してきた(関連記事)。9ラックを収容する中規模コンテナ「IZmo W」および「IZmo S」と、3ラックを収容する小規模コンテナ「co-IZmo D」(co-IZmoから名称変更)である。IZmo W/Sは外気冷却を基本としながらも、夏季や冬季には室外機を使って冷房や加湿を実施する。co-IZmo Dは外気だけで冷却する。
今回IIJは、co-IZmo Dと同じ長さ20フィート(約6.1メートル)のISO20ftコンテナ(6.1×2.5×2.9 メートル)を採用した小規模コンテナの新モデルとして、外気冷却でありながら外気をサーバールームに直接取り込まない間接外気冷却方式を採用したco-IZmo Iを追加した(表)。コンテナと一体化した空調設備の違いにより、co-IZmo Dよりも1ラック多い4ラックを収容する。
間接外気冷却方式では、IT機器の排熱を、外気を用いた熱交換によって間接的に冷却する。このための熱交換の仕組みを内蔵する。また、外気による間接冷却だけでは冷却能力が足りない場合は、コンプレッサー(圧縮機)を利用する。この仕組みにより、外気をサーバールームに直接取り込まないことから、フィルタで除去することができない腐食性ガスの濃度が高い外気の環境下でも利用できるようになった。
モデル | IZmo W/S | co-IZmo D | co-IZmo I |
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コンテナの構造 | 空調モジュールが独立 | 空調モジュールと一体型 | |
コンテナのサイズ仕様 | 独自規格 | ISO20ftコンテナ | |
コンテナの大きさ(メートル) | IZmo W:8.6×3×3.0 IZmo S:9.5×2.4×2.7 空調装置:4.4×2.9×3.8 | 6.1×2.5×2.9メートル | |
収容ラック数 | 9ラック | 3ラック | 4ラック |
冷却能力 | 90kW(直接外気および室外機) | 30kW(直接外気) | 40kW(間接外気および一体型室外機) |
ファン風量 | 最大2万7000立方メートル毎時 | 最大9000立方メートル毎時 | 最大1万2000立方メートル毎時 |