写真●遠藤信博代表取締役執行役員社長
写真●遠藤信博代表取締役執行役員社長
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 NECは2013年10月30日、2014年3月期の第2四半期連結決算を発表した。上期(2013年4~9月)の売上高は1兆3831億400万円と前年同期比4.5%減、営業利益は同99.2%減の3億7900万円と減収減益だった。

 「テレコムキャリア」「システムプラットフォーム」「その他」の三つのセグメントが減収減益だった。前年同期の大型案件がなくなった反動で、「テレコムキャリア」は前年同期比で2.5%の減収、115億円の減益、「システムプラットフォーム」は同4.5%の減収、99億円の減益となった。両セグメントは、売上減などの影響で営業利益も落ち込んだ。

 携帯電話端末事業を含む「その他」は、前年同期比で22.6%の減収、292億円の減益に陥った。NECは2013年7月にスマートフォン事業の撤退を決めており、携帯電話の出荷台数が前年同期の170万台から85万台と半減した(関連記事:NECがスマホ撤退、4~6月期の携帯電話出荷台数は45万台にとどまる)。

 遠藤信博代表取締役執行役員社長(写真)は、「出荷台数の落ち込みの大半はスマートフォンだ。開発を止めたことで、継続性を不安視された」と原因を説明。一方で、「今までの不安定要素だった領域が、下期には安定する」(遠藤社長)とし、「開発中止の判断は良い方向性を作ることができた」という見解を示した。

 売上高3兆円、営業利益1000億円という通期見通しは据え置いた。2014年4月にサポートを終了するWindows XPの更新需要が「想定を上回った」(遠藤社長)ことから、下期(2013年10~2014年3月)には法人向けPCやサーバーなどを中心に売り上げを伸ばし、挽回を見込むという。