米Microsoftの一部大株主がBill Gates会長の退任を求めていると、複数の米英メディア(Wall Street JournalThe Registerなど)が伝えている。最初にこれを報じた英Reutersは現地時間2013年10月1日に、Microsoftの上位20株主のうち3株主がMicrosoft取締役に対して、同社共同設立者であるGates氏の会長辞任を強く要求しているとの記事を掲載した。

 Gates氏は2000年に最高経営責任者(CEO)の座をSteve Ballmer氏に譲り、2008年に現役を引退。以来、会長職にとどまっているものの、慈善活動に専念している。なお現CEOのBallmer氏は今年8月、1年以内に退任する意向を発表した(関連記事:米マイクロソフト、バルマーCEOが1年以内に退任と発表

 Reutersが得た情報によると、Microsoft取締役会が3株主の意見を検討する様子はないという。3株主の詳細は明らかにされていないが、持ち株比率は合計で5%を超える。Gates氏の持ち株比率は約4.5%で、個人としては最大の株主となっている。

 3株主は、Gates氏の会長としての存在が新たな戦略の採用を妨げており、次期CEOの大幅な改革を行う権限を制約するだろうことを不安視している。中でも、Ballmer氏の後継を探す特別委員会にGates氏が入っていることを指摘している。

 またこれら株主は、Gates氏が減少する株式保有率に不釣り合いな権威を行使しているとも懸念している。Gates氏は、1986年にMicrosoftが上場した当時、49%を保有していたが、あらかじめ定めた計画に従って年間約8000株を売却している。これを継続すれば2018年には株式保有率はゼロになる。

 後継のCEOを巡っては、一部投資家が米自動車大手Ford MotorのAlan Mulally CEOと米IT大手Computer Sciences(CSC)のMike Lawrie CEOを候補として検討をするよう促したと、9月に報じられた(関連記事:Microsoftの主要投資家、Ballmer氏の後任候補にFordのCEOらを推薦)。その際Reutersは「上位20株主のうち少なくとも3株主」が要求したと伝えたが、米The Vergeによれば、これが今回の3株主と同一であるかどうかは判明していない。

 Microsoftの取締役会はBallmer氏退任後も、Ballmer氏の戦略を進めることを支持するとしている。一部株主は、新たなCEOはこの戦略にとらわれるべきではないと考えているという。