米Microsoftの投資家が同社取締役会の特別委員会に対し、Steve Ballmer最高経営責任者(CEO)の後任候補として米自動車大手Ford Motorと米IT大手Computer Sciences(CSC)のCEOを検討をするよう促したと、複数の海外メディア(米FOX Business Networkや米Bloombergなど)が現地時間2013年9月10日に英Reutersの報道を引用して伝えた。

 Reutersによると、Microsoftの主要投資家の一部が経営立て直しのベテランであるFord MotorのAlan Mulally CEOとComputer SciencesのMike Lawrie CEOをBallmer氏の後任候補として検討するよう求めている。ただしFord MotorのMulally氏はReutersのインタビューに対し「完全に、Fordの事業に注力していく」と述べており、Ford退任の意向は示していないという。またMicrosoftの取締役会が投資家の提案する候補と連絡を取ったかや、有力候補として検討しているかは分かっていないとReutersは伝えている。

 Microsoftは8月23日に、Ballmer氏が1年以内に退任する予定であることを明らかにした。今後、取締役会が設けた特別委員会が社内外から人材を探し、1年以内に後任を選ぶとしているが、報道によるとMicrosoftの事情に詳しい関係者は、早ければ年内にも決まる可能性があると述べている(関連記事:米マイクロソフト、バルマーCEOが1年以内に退任と発表)。

 Microsoftは、9月3日にフィンランドNokiaの携帯電話事業を買収することでNokiaと合意したと発表した。だがこのニュースの発表直後に、同社の株価は6%下落した。一方でBallmer CEO退任の発表直後、同社株は7%上昇した。同氏が進める「デバイスとサービス」への取り組みは、今のところ投資家を説得できていないとReutersは伝えている(関連記事:マイクロソフト、54.4億ユーロでノキアの携帯電話事業を買収)。

■変更履歴
 本文の最後の段落で「一方でBallmer CEO退任の発表直後、同社株は7%下落した。」としていましたが、正しくは「一方でBallmer CEO退任の発表直後、同社株は7%上昇した。」です。お詫びして訂正いたします。本文は修正済みです。[2013/9/12 11:00]