写真●富士通システムズビジネス(タイランド)の國丸昌之社長
写真●富士通システムズビジネス(タイランド)の國丸昌之社長
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 タイの情報通信技術省とソフトウェア産業振興機構(SIPA)が主催する同国最大規模のITイベント「ASOCIO ICT Summit 2013 & Software Expo Asia 2013(関連記事)」で、日系現地法人の経営者やIT関係者と日系IT企業の幹部が一堂に会し、現地におけるICT活用の勘所について議論する「アジアICTカンファレンス」が、2013年9月27日に首都バンコクで開催された。

 富士通のタイ拠点である富士通システムズビジネス(タイランド)の國丸昌之社長(写真)は同カンファレンスに登壇し、「タイの企業においても、クラウド活用の検討が本格化している」と述べた。

 同社は2013年10月から、タイにおいてクラウドサービス「Fujitsu Thailand Cloud Service」の提供を始める。タイ国内のデータセンター(DC)から、ネットワーク経由でサーバーリソースやストレージといったITリソースのほか、電子メールやファイルサーバーなどのアプリケーションを提供する。

 國丸社長は、クラウドを使う利点を五つ挙げる。初期投資が不要である点、ITインフラを短期間で用意できる点、システム運用をアウトソーシングできる点、短期利用や一時使用、「スモールスタート」が可能な点、急なトラフィックの増加にも耐えられる拡張性を確保しやすい点、である。

 「クラウドを活用することで、ディザスタリカバリー(DR)を準備するのにかかるコストを減らすこともできる」と國丸社長は説明した。既にクラウドサービスを提供しているシンガポールでは、クラウドユーザーのうち3割がDRの用途で使っているという。タイでは大洪水以降、DRへのニーズがあることから、DRでの利用を積極的に売り込む。

 國丸社長は「タイで23年間、システム開発や製品提供を続けてきた実績をクラウドに生かせるのが当社の強みだ」と述べた。