米Qualcommは2013年9月8日(現地時間)、ベルリンで開催中のIFA 2013に合わせて技術デモを報道関係者向けに公開し、スマートウォッチの新製品「Qualcomm Toq」を展示した(写真1、関連記事)。
Qualcomm ToqはARMプロセッサを搭載した腕時計型のデバイスで、スマホと連携できる。現時点ではAndroid用アプリが用意される(写真2、写真3)。Toq自体は3GやLTEの通信機能を搭載しておらず、スマホとの通信にはBluetoothを用いる。今後、iOSにも対応を予定する。
最大の特徴はディスプレイ。一般に、スマートウォッチを腕時計として使うためにはいつでも時間を確認できるよう、時計を常に表示するのが望ましい。しかし画面を常時点灯させる場合、バッテリーが持たないというジレンマがある。
これに対してToqでは、Qualcommが長年に渡って独自開発してきた「Mirasol」ディスプレイを採用。電子ペーパーのように省電力でありながら、カラー表示を可能とした。一般的な使用方法で2日以上のバッテリー駆動時間を実現する。
また、バッテリーは腕時計のバックルに相当する部分に内蔵されており(写真4)、時計本体は比較的薄型となっている。
Toq本体には、microUSBなどのポートは搭載しない。充電にはQualcommが推進する「WiPower」方式の無接点充電アダプタを使用する(写真5)。
操作ボタンとして、本体に近いベルト部分にタッチセンサーを内蔵する。本体上部のベルトをダブルタップすることでバックライトを、下部をタップすることで画面の切り替えを行う。
これまでQualcommは、OEMメーカー向けにリファレンスモデルを提供することが多かったが、Toqについては最終製品として一般発売を計画している。2013年第4四半期より米国で発売、販売チャネルはオンラインでの直販が中心となる。正式な価格は追って発表する。