NTTデータは2013年8月28日、コールセンターの音声通話を音声認識技術を用いてテキスト化して管理/検索できるようにするソフト「BizXaaS Voice」(写真)を発表、同日提供を開始した。金融業界のインサイダー取引を発見するための専用辞書など、NTTデータが独自に作成した辞書を、ユーザーごとのカスタマイズ込みで提供する。クラウドサービスまたはオンプレミス型のソフトとして提供する。
NTTデータは以前から、個別のSI案件ベースでコールセンターの音声認識システムを構築/提供してきた。SIに利用するパッケージソフトの一つが、アドバンスト・メディアのコールセンター向け音声認識ソフト「AmiVoice」である(関連記事)。今回、アドバンスト・メディアからAmiVoiceのOEM供給を受けて、自社ブランドのBizXaaS Voiceとして付加価値を付けて製品化した。ソフトウエアライセンスに加えて、辞書のカスタマイズ構築やシステム構築などのサービスも併せて提供する。
音声データに含まれるキーワードを検知するための辞書として、NTTデータが独自に構築した業種別の辞書を利用できる。あらかじめ、金融、医療、通信(キャリア)、保守サービスの四つの業界向けに、それぞれの業界向けの標準辞書のテンプレートを用意している。例えば、証券会社におけるインサイダー取引の検知に適した専門辞書などがある。この辞書をベースに、個々のユーザーに合わせてカスタマイズする。
サービスは、クラウドサービス(管理サーバー機能をSaaS型で提供)の形態か、または通常のオンプレミス向けのソフトウエア製品の形態で提供する。いずれの場合も、コールセンターのオペレーターや管理者のパソコン上に、専用のクライアント画面ソフトをインストールして使う。売上目標として、金融業界を中心に、BizXaaS VoiceとCRM関連サービスを合わせて2016年度末までに16億円の受注を目指す。