写真1●ヴイエムウェアCOOのカール・エッシェンバック氏
写真1●ヴイエムウェアCOOのカール・エッシェンバック氏
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 「VMworld 2013」の2日目の基調講演に、米ヴイエムウェアCOO(最高執行責任者)のカール・エッシェンバック氏が登壇した(写真1)。

 前日に発表したネットワーク仮想化の「VMware NSX」、分散ストレージの「Virtual SAN(VSAN)」などについて、担当分野の同社幹部を交えながら、実際の管理ツールを用いたデモを中心に説明した(関連記事:「SDDCへの次の一歩はネットワーク仮想化」、ゲルシンガーCEOが基調講演)。

写真2●スクリプトベースやルールベースの運用から抜けだそうと提案
写真2●スクリプトベースやルールベースの運用から抜けだそうと提案
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写真3●用いるインフラによる、vCAC上でのコストの比較
写真3●用いるインフラによる、vCAC上でのコストの比較
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 全体を通して同社が強調したのが、ITインフラの運用を「スクリプトやルールベースのものから、ポリシーベースに変えていこう」(同社CTO EMEA, Office of the CTOのジョー・バグリー氏)というメッセージである(写真2)。インフラの変化がダイナミックになり、環境もオンプレミスだけでなくパブリッククラウドも同時に管理しなければならなくなるなど、運用は複雑化している。こうした運用を効率化するために、ポリシーベースの同社の各種管理ツールが役立つとした。

 アプリケーションのデプロイについては、「vCloud Automation Center(vCAC)」を用いてデモを行った。アプリを、オンプレミスやパブリッククラウドといった、どのインフラ上で動かすか。その判断材料として、vCACではそれぞれのコストの比較が可能なことを見せた。プライベートクラウドや「Amazon Web Services」「Windows Azure」などの月額コストを算出し比較できる(写真3)。「vCloud Application Director」では、ChefやPuppetなどの運用管理ツールとも連携できる。

 ネットワーク仮想化については、「vSphere Web Client」を用いて説明し、NSXを用いることで「L2スイッチ、L3ルータ、ファイアウォール、ロードバランサーなどを、アプリケーションのライフサイクルで管理できるようになるとした。

 分散ストレージのVirtual SANについては、vSphere Web Client上で同機能をオンにすることで使えるようになる(写真4)。ストレージ容量が逼迫してきたら、vSphereを稼働させたホストを追加することで空き容量を増やせる(写真5)。

写真4●VSANはvSphereに統合されているため、利用の際はVSANの設定をオンにするだけ
写真4●VSANはvSphereに統合されているため、利用の際はVSANの設定をオンにするだけ
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写真5●vSphere Web Clientにおいて、VSANにホストを追加し空き容量を増やした後の画面
写真5●vSphere Web Clientにおいて、VSANにホストを追加し空き容量を増やした後の画面
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 講演の最後には、2013年9月に米国で開始予定のパブリッククラウドサービス「vCloud Hybrid Service(vCHS)」のデモを行った。

 vSphere Web Clientでテンプレートを管理し、オンプレミスのプロジェクトをvCHSにプロビジョニングする様子を見せた。オンプレミス向けに迅速にアプリを開発する必要があるが、テストするためのハードウエアをすぐには調達できないといった場合、「vCHSで先に検証を済ませ、ハードウエアが用意できたらオンプレミスのvSphereに移す」といった利用方法を挙げていた(関連記事:ヴイエムウェアのパブリッククラウドサービス、9月に3拠点のDCで開始)。