写真1●基調講演に登壇したパット・ゲルシンガーCEO
写真1●基調講演に登壇したパット・ゲルシンガーCEO
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写真2●仮想ポートの数が物理ポートの数を上回る
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 米ヴイエムウェアは米国サンフランシスコで2013年8月26日(現地時間)からイベント「VMworld 2013」を開催し、同社CEO(最高経営責任者)のパット・ゲルシンガー氏が基調講演に登壇した(写真1)。同社が提唱しているコンセプト「SDDC(Software-Defined Data Center)」の強化に向け、ネットワーク仮想化ソフトの新製品「VMware NSX」、クラウド基盤スイートの新版「VMware vCloud Suite 5.5」などを披露した。

 基調講演の目玉は、ゲルシンガー氏が「本日の講演で最も重要なもの」と強調したネットワーク仮想化のVMware NSXである。ITインフラのすべてを仮想化するSDDCを実現する上で、サーバー仮想化に続く次の一歩がネットワーク仮想化になる。2010年に仮想マシンの数が物理マシンの数を上回ったように、現在、「仮想ポートの数が物理ポートの数を上回っている」(同社CTO Networkingのマーティン・カサド氏)という(写真2)。ネットワークの設定や運用に何週間もかけることもある状況を変えることを狙う。

 講演では、VMware NSXを先行して利用している米GEアプライアンスや米シティグループ、米イーベイといった企業のIT担当者も登壇し、「NSXによるネットワーク仮想化により、事業部門が求めるITインフラの変革のスピードを実現できるようになる」(GEアプライアンス)などと、その効果を語った。

 クラウド基盤スイートのVMware vCloud Suite 5.5では、サーバー仮想化ソフトの新版「vSphere 5.5」で性能などを強化した。新たに対応物理CPUの数を2倍にしたほか、仮想ディスク(VMDK)の最大サイズを従来の2Tバイトから64Tバイトに拡大した。vSphere上で「Hadoop」を効率的に動作させる機能「vSphere Big Data Extensions」も投入し、「もはや物理環境のHadoopは過去のものとなるだろう」(ゲルシンガーCEO)とした。

 vSphere 5.5では、Xeonシリーズに加えて新たにAtomプロセサ「C2000」にも対応した。米ヒューレット・パッカードの省電力・高密度サーバー「Moonshot」のように、Atomを搭載したハードウエアが登場してきているためである。