写真●Login VSI 4.0の画面
写真●Login VSI 4.0の画面
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 ネットワールドは2013年8月26日、VDI(仮想デスクトップ環境)の体感性能を調べる負荷テストツールの新版「Login VSI 4.0」(関連記事)を発表(写真)、同日販売開始した。新版では、負荷テスト時にシンクライアント接続を不要とするなど、ソフトウエアの構造を改善した。開発会社は米Login VSI。

 Login VSIは、個々の仮想デスクトップの上で、Microsoft Officeなどの実際のアプリケーションを使ってベンチマーク試験を実施する。試験では、メニュー操作やファイル操作などの応答性能を計測する。仮想デスクトップの台数を段階的に増やしながら応答速度の変化を調べることで、サーバーのボトルネックが分かる。

 中心となるモジュールは大きく二つある。(1)テスト対象となる仮想デスクトップの上で動作するベンチマークソフトと、(2)仮想デスクトップを段階的に立ち上げて負荷テストの実施を指示するランチャー、である。このほかに、負荷テストの設定や計測ログを管理する管理サーバーがある。

 新版では、ソフトウエアのアーキテクチャーを改善し、1台のランチャーで制御できる仮想デスクトップの数を、従来の45台から数百台へと増やした。新版ではさらに、負荷テストをGUIで定義するためのエディターを追加するなど、負荷テストシナリオのカスタマイズを容易にした。

VDI負荷テスト時のRDP/ICA接続を不要に

 従来は、ランチャーから仮想デスクトップにベンチマーク試験の実施を指示する方法として、個々の仮想デスクトップに対して個別にシンクライアント型(RDPやICAなどの画面情報端末プロトコル)で接続する必要があった。ランチャーに負荷がかかる仕組みであるため、45台を超える仮想デスクトップを制御するにはランチャーの台数を増やす必要があった。

 これに対して新版では、RDP/ICAによるシンクライアント接続を使わない動作モードを用意した。新しい動作モードは、シンクライアント接続によるリモート操作を代替する方法として、ベンチマークスクリプトをファイル転送で仮想デスクトップに送り込み、リモートから実行を指示する方式とした。これにより、1台のランチャーで500台などの仮想デスクトップを制御できるようになった。

 新版ではまた、ランチャーのモジュールを簡素化し、Windows OSへの事前のインストール作業を不要とした。あらかじめOSにインストールすることなく、ファイルサーバー上に置いたランチャーソフトの実行形式ファイルをダブルクリックして起動するだけで、ランチャーソフトが立ち上がるようにした。

カスタムアプリ用のテストシナリオを容易に設計可能に

 新版ではさらに、テストシナリオのカスタマイズを容易にした。従来版では、専用言語「AutoIT」で記述された既存のテストシナリオ(テストスクリプト)をベースに、テストしたいアプリケーションを追記する方法が一般的だった。新版では、GUIを使ったウィザード形式で、汎用言語(メタ言語)を使ってテスト内容を記述できるようになった。

 Login VSIの価格(税別)は、以下の通り。期間限定ライセンスは、最小構成の100ユーザー3カ月で、38万円。永続ライセンスは、最小構成250ユーザーで、162万2000円(保守料が年額40万5500円)。