写真1●オランダのログイン・コンサルタンツ(Login Consultants)でセールスディレクターを務めるヨス・ディコフ(Jos Dikhoff)氏(写真左)と、ネットワールド代表取締役社長の森田晶一氏(写真右)
写真1●オランダのログイン・コンサルタンツ(Login Consultants)でセールスディレクターを務めるヨス・ディコフ(Jos Dikhoff)氏(写真左)と、ネットワールド代表取締役社長の森田晶一氏(写真右)
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写真2●次期版であるLogin VSI 4.0のダッシュボード画面
写真2●次期版であるLogin VSI 4.0のダッシュボード画面
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 ネットワールドは2012年12月13日、VDI(仮想デスクトップ環境)の体感性能を調べる負荷テストツールの新版「Login VSI 3.7」(関連記事)を発表(写真1)、同日販売を開始した。新版では、より小規模向けのライセンスを追加して導入を容易とした。機能面では、カスタムアプリケーションのテストを容易にした。開発会社は、オランダのログイン・コンサルタンツ(Login Consultants)。

 個々の仮想デスクトップの上で、Microsoft Officeなどの実際のアプリケーションを使ってベンチマーク試験を実施する。試験では、メニュー操作やファイル操作などの応答性能を計測する。仮想デスクトップの台数を段階的に増やしながら応答速度の変化を調べることで、サーバーのボトルネックが分かる。

 三つのモジュールで構成する。(1)テスト対象となる仮想デスクトップの上で動作するベンチマークソフト、(2)仮想デスクトップを段階的に立ち上げて(VDIセッションを張って)、負荷テストの実施を指示するランチャー、(3)負荷テストの設定や計測ログを管理する管理サーバー、---である。仮想デスクトップの台数が50台を超える場合は、複数のランチャーを並列で利用する。

 新版では、より小規模から導入できるようにした。具体的には、従来版の最小構成は、500ユーザーまでの試験を6カ月間利用できるものであり、この場合の価格(税別、以下同)は、98万円である。この一方で、新版の最小構成は100ユーザー3カ月であり、38万円である。なお、新版では、期間限定ライセンスに加えて、永続ライセンスも用意した。永続ライセンスは、最小構成250ユーザーで162万2000円(保守料が年額40万5500円)である。

カスタムアプリ専用のテストシナリオを容易に設計可能に

 機能面では、業務クライアントなどの任意のアプリケーションをテストする際に、より簡単にテストシナリオを定義できるようにした。具体的には、「ライトユーザー」や「ヘビーユーザー」など標準で7種類ある定義済みのテストシナリオとは別に、中身がない空のテストシナリオを用意した。ここに任意のアプリケーションを登録することで、標準のシナリオを編集する必要がなくなった。これに合わせて、ネットワールドでは、テストシナリオ作成サービスも開始した。

 これまでは、任意のアプリケーションをテストしたい場合は、標準のテストシナリオのテスト内容を消去/編集するのではなく、事実上、新たなアプリケーションをテストするための指示を既存のテストシナリオに追記する形が多かったという。この場合、テストしたくないアプリケーションまでテストすることになり、テスト時間が余計にかかってしまう。テスト時間は、標準のテストシナリオの場合で、1回当たり約14分であり、この処理を繰り返して計測する。

 2013年春に提供を予定する新版「Login VSI 4.0」では、ウィザードベースでテストを定義できるようにするなど、テストシナリオの作成をさらに容易にするという。また、ベンチマークテスト結果のログを対象とした分析だけでなく、リアルタイムなテスト結果(応答速度)をダッシュボード画面(写真2)に表示できるようにする。

 機能面ではまた、ベンチマーク試験で使うMicrosoft Officeのバージョンを拡大し、現行版のMicrosoft Office 2013を使ったテストを可能にした(従来版ではOffice 2013のテストはできなかった)。さらに、動作を保証する環境を拡大し、Windows 8/Windows Server 2012での動作や、Oracle VDIを動作保証の対象に加えた。