富士通エフサスは2013年8月9日、オフィスの移転を支援する「FUJITSU Infrastructure System Integration オフィスまるごとイノベーション」の提供を開始した。オフィス移転を計画している企業に対して、TV会議やBYOD(私物端末の業務利用)といったIT関連のサービス提供に加えて、新オフィスのコンセプト立案やデザインといった非IT関連のサービスも提供する。富士通エフサスの今井幸隆社長は、「当社の新しい事業の柱として、注力していく」と話す。2016年度末までに関連ビジネスで150億円の売り上げを見込む。

 オフィスまるごとイノベーションでは、オフィスの移転やリニューアルの際に、企画、設計、導入・展開、運用・保守といったサービスを提供する。企画段階でワークスタイル調査を実施し、「単なるオフィス移転ではなく、あるべきワークスタイルの姿を分析・立案し提案する点が特徴」と今井社長は話す。富士通エフサスはこれまでもオフィスの引越しの際などに、ネットワークの敷設やパソコンの設置といったサービスを提供していた。加えて「多くの企業に訪問する当社の社員が蓄積した知識や、当社内の総務部などの知見を合わせてサービスを提供していく」と今井社長は話す。

 富士通エフサスはオフィスまるごとイノベーションの提供に向け、イトーキ、コクヨファニチャー、内田洋行など4社のオフィス家具メーカーと提携。顧客企業からオフィス家具やオフィスデザインに関連する提案の依頼があった場合は、富士通エフサスを通じて4社のコンペを実施するなどして、非IT関連サービスの提供を実現する。IT関連サービスでは、フリーアドレスの実現や、Webを使ったTV会議の導入、持ち出し可能なパソコンの設置、社内SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などの提供を想定している。

 富士通エフサスは、自社のオフィスを相次ぎ刷新。本社ビルにあるコールセンターに可動型のPCモニターを設置したり、神奈川県横浜市のみなとみらいにフューチャーセンター「みなとみらい Innovation & Future Center」を開設するなどしている(関連記事:フューチャーセンターで必ず新ビジネスを生み出す)。9月には東京の、11月には大阪のオフィスの刷新や移転を完了する予定で、こうして自社で蓄積したノウハウをサービス提供に生かす狙いだ。