写真●VVAULT 5.0の画面
写真●VVAULT 5.0の画面
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 オレガは2013年7月31日、ストレージ仮想化ソフトの新版「VVAULT 5.0」(写真)の提供を開始した。新版では、データのレプリケーション時にアクセス権限情報もコピーすることによって、障害発生時にレプリカのボリュームをそのままマスターボリュームとして継続利用できるようにした。

 VVAULTは、Windows上で動作するストレージ仮想化ソフトである(関連記事:オレガがストレージ仮想化ソフトのDLPを強化、拠点間でHTTPS転送可能に)。VVAULT自身をインストールしたWindows機のローカルディスクや外部NASなど、Windowsから扱える任意のボリュームを束ねて一つの仮想ボリュームとして運用できるようにする(ブロックレベルではなくファイル単位で仮想化する)。

 VVAULTによって作られた仮想ボリュームは、各種の上位ソフトを用いて自由に利用できる。例えば、Windows OSのファイル共有設定を使って公開すれば、外部のクライアント機からはNAS(CIFS)としてアクセスできるようになる。実際に、OSにWSS(Windows Storage Server)を採用したNAS製品にVVAULTをプリインストールしたパッケージ製品などがある。

 特徴の一つは、遠隔地同士(複数のVVAULT間)でデータをバックアップ/リカバリーするレプリケーション機能を備えることである(データ転送にはWebアクセスに使われるHTTPSを利用する)。なお、レプリケーションはリアルタイムに行われる(仮想ボリュームの更新を常時監視し、更新があったファイルを仮想ボリューム間でリアルタイムにバックアップする)。

障害時にレプリカをマスターに切り替え可能に

 今回の新版では、レプリケーション機能を強化し、レプリカ側のボリュームをマスターボリュームとして利用できるようにした。従来は、データだけをコピーしていたため、マスターボリュームに対してリカバリーする使い方に限られていた。今回、データだけでなくアクセス権限情報もレプリカ側にコピーする仕様とした。これにより、マスターボリューム側に障害が発生した際には、瞬時にレプリカ側をマスターボリュームに切り替えて業務を継続できるようになった。

 新版ではさらに、1台のVVAULTサーバー上で、複数(2個)の仮想ボリュームのインスタンスを動作できるようにした。これにより、レプリケーションの構成が柔軟にとれるようになった。例えば、拠点AにボリュームA1とボリュームA2、拠点BにボリュームB1とボリュームB2があった場合に、(1)A1とA2のレプリカをB1とB2にする使い方や、(2)A1のレプリカをB2に、B1のレプリカをA2にする使い方、(3)第三者のC1とD1のレプリカをA1とA2にする使い方、などが可能になる。

 無償版と有償版があり、有償版には、クライアントOS(Windows XP/Vista/7/8、Windows Home Server)向けの「Personal Plus」版と、サーバーOS(Windows Server、Windows Storage Server)向けの「Professional」版がある。企業向けライセンスの価格(税込み)は、クライアントOS向けが月額525円、サーバーOS向けが年額12万6000円。