写真1●VVAULT 3.0の管理画面
写真1●VVAULT 3.0の管理画面
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 オレガは2012年4月2日、ストレージ仮想化ソフトの新版「VVAULT 3.0」(写真1)の提供を開始した。DLP(継続的データ保護)機能を強化し、複数のVVAULT間でデータをバックアップ/リカバリできるようにした。技術サポートを含む企業向けライセンスの価格(税込み)は、クライアントOS向けが月額525円、サーバーOS向けが年額12万6000円。

 VVAULTは、ストレージ仮想化ソフトである。自身をインストールしたWindows機のローカルディスクや外部NASなど、Windows OSから扱える任意のボリュームを束ねて、一つの仮想ボリュームとして運用できるようにする。無償版と有償版があり、有償版には、クライアントOS(Windows XP/Vista/7)向けの「Personal Plus」版と、サーバーOS(Windows Server、Windows Storage Server)向けの「Professional」版がある。

 今回の新版では、VVAULTが備えるDLP機能を強化した。BCP(事業継続計画)の一環として利用できるよう、データをインターネットを介して遠隔拠点にバックアップできるようにした。なお、VVAULTのDLP機能とは、仮想ボリュームの更新を常時監視し、更新があったファイルを仮想ボリューム間でリアルタイムにバックアップするものである。

 以前のバージョンでは、一台のWindows機(一つのVVAULT)の配下にある仮想ボリューム間で、データをローカルコピーするしかなかった。これに対して今回の新版では、複数のWindows機(複数のVVAULT)間で、データをHTTPSでコピーできるようにした。以前の方法(ネットワークドライブ間のローカルコピー)よりも、複数のVVAULT間でHTTPS転送した方が、インターネット経由のデータコピーに適している。

 新版のDLP機能を利用したオンラインバックアップサービスも登場した。NTTコミュニケーションズが4月2日に開始した「Biz シンプルディスク バックアップタイプ」である。NTTコミュニケーションズのデータセンターにVVAULTの仮想ボリュームを用意するサービスである。ユーザーサイトにあるVVAULTのデータを、ここにバックアップする。価格(税込み)は、容量500Gバイト(システム領域を含む)で月額3万9800円。

NASマイグレーションや動的ILMに特徴

 DLP機能以外の特徴は、大きく二つある。一つはデータマイグレーション機能である。仮想ボリュームを使いながら、仮想ボリュームを構成するボリューム間でデータを自動的に移行できる。ストレージのリプレース(旧式NASから新型NASへの移行など)に適する。もう一つは、ILM(階層型ストレージ管理)機能である。仮想ボリュームを構成する個々のボリュームの性能を4段階にランク付けできる。これにより、頻ぱんにアクセスするデータを高速なディスクに自動的に配置できる。

 なお、VVAULTには、有償版のほかに、技術サポートを含まない無償版がある。無償版の一つ「Personal」は、クライアントOS専用で、DLP機能を備えない。もう一つの無償版「Basic」は、クライアントOS/サーバーOS共用で、機能に制限は無いが、接続可能ストレージが2台までに限られる。有償版と無償版は、いずれもオレガのサイトからインストールパッケージをダウンロードできる。